“マリオ”宮野真守&“ルイージ”畠中祐、ゲームの再現は「すごく頑張った」 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を語る
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宮野:ゲームの世界になじみがある人たちにとっては、マリオとルイージがニューヨークで生活する姿が、結構面白いかもしれない。そこで描かれる彼らの姿は、物語の中でめちゃくちゃ重要で、ひげを生やして、おなかはちょっと出ているけれど、実は彼らってとても若くて悩みのある青年なんですよね。家族に認められたくて頑張る姿や、リアルなマリオたちの悩みが見られるのは、すごく映画ならではだと思います。おじさんじゃないんです…!
畠中:そうなんですよね。等身大だからこそ、結構、繊細で人間くさくて、そこが共感できるポイントかなと。あと、やっぱり今まで触れてきたマリオが、そのまんまいるっていうのが楽しいですよね。『マリオカート』なんかみんなやってたわけだし、それが劇場のスクリーンに、どーんと出てきたときの感動たるや…。あと音楽もたまんないですよね~。小さい頃から聞いて、絶対みんなが耳なじみのある音楽がオーケストラバージョンになって集まっているわけですから、それだけでもう十分楽しめる映画になっています。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』場面写真 (C)2023 Nintendo and Universal Studios
ーー本当にそうですよね! 先程お話にも出ましたが、『マリオカート』のシーンは手に汗をにぎりました…。お二人は『マリオカート』の思い出はありますか? カート派、バイク派、遊び方いろいろあると思うんですけど…。
宮野:なるほど、若いね。ここで世代が出ちゃうわけですよ。僕の時代はカートしかなかったんですよ…! もちろんいろんなカートがあることも知ってるんですけどね、僕が一番慣れ親しんだのは、スーパーファミコンの初代『マリオカート』なんです。レインボーロードが難しくてね、狭いからすぐ落っこちちゃって。攻略が難しかったですね。
ーーまさかのジェネレーションギャップが…! 畠中さんはプレイされたことは?
畠中:僕も友達の家で、(NINTENDO)64とかでしてたんですけど、どっちかというと、ゲームセンターの『マリオカート』で遊んでいました。写真撮影するやつ。帽子のフレームの下に自分の顔が写せて、それで走るわけですけど、めちゃくちゃ変顔して、ドン滑りしました(笑)。
宮野:滑ってそう。狙いすぎて、滑ってそう(笑)。
畠中:そう(笑)。みんなでゲームセンターに集まって遊ぶのが、すごく楽しかったです。
畠中祐
ーーその思い出たちが映画になり、大スクリーンで体験できるのが本作の素晴らしいところですよね。
宮野:本当にそう! 映画の中で、僕が落ちまくったレインボーロードを走れたときは、なんか感慨深くて! あと、やっぱりマリオといえばパワーアップじゃないですか。みんなが通ってきたそれぞれのゲームがあると思うんですけど、ネコやタヌキ、ファイアだったり、ちっちゃくなったり、いろんなマリオがふんだんに出てくるので、「わたしのマリオ」や「僕のマリオ」をくすぐられるというか、童心に帰れる映画になっていました。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』場面写真 (C)2023 Nintendo and Universal Studios
ーーとても共感します。すごく楽しい映画である一方で、最後にはほろりと泣けてしまうハートフルな部分もありました。宮野さん、畠中さんが、マリオとルイージを演じて得た、気付きを最後に教えてください。
畠中:ルイージからは「信じる力」を感じました。彼はきっと幼少期から、マリオにヒーローでいてほしかった。その思いがルイージを支えて、パワーになっていたと思うので、ルイージの“一途に信じる力を持った生き方”は、すごくすてきなところだと思います。
宮野:マリオって、ルイージにとってもみんなにとってもスーパーヒーローなんですけど、この映画では、そんな彼の人間味みたいなものが、すごくわかるんです。勇気があって、優しくて、前向きな男ではあるんですけど、1人の人間だから、くじけそうにもなるし、負けそうにもなる。そんなマリオのリアルな気持ちが見られるところに、僕はグッと来ました。彼は、逆境でもめげないんですよね。スーパーパワーを持っているんじゃなくて、心がヒーローであるのがマリオなので、心さえ強ければ誰しもがヒーローになれるということを教えてくれる映画になっていると思います。(取材・文:阿部桜子 写真:小川遼)
アニメ映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は全国公開中。