片平なぎさ、『赤い霊柩車』ファイナルで明子&春彦カップルはどうなる?「私は“結婚させたい”に一票を投じました」
かつては各局で2時間ドラマが制作され、数々の名シリーズが誕生した。しかし近年は徐々にその枠が減り、新作の2時間サスペンスに触れる機会も少なくなった。あらゆるシリーズでヒロインを担い“サスペンスの女王”の異名を持つ片平だが、「29歳で初めて『小京都ミステリー』に出させていただいて、そこから私の2時間ドラマ人生が始まったんです」とにっこり。今の状況について「これは、時代の流れですから。私が出演する前から考えると、2時間ドラマの歴史ってすごく長いですよね。そこに携われただけでも幸せです」としみじみ。
さらに「32歳くらいから『赤い霊柩車』が始まって、ここまで続いた。私はデビューしてから48年くらいになりますので、その大半を『赤い霊柩車』と過ごしてきました。女優としても“育ててもらった”という、感謝しかありません。ファンの方から頂くお手紙でも、『赤い霊柩車』のことが書いていないお手紙はないです。本当に愛された作品なんだなと感じています」と女優人生においても、かけがえのないシリーズになったという。
レギュラーメンバーとの出会いも、片平にとって宝物だ。春彦役の神田については、「公私にわたり相談に乗ってもらっている、お兄ちゃん」と表現。「車について相談したら、すぐに神田さんが懇意にしている車屋さんを教えてくださったり、おいしいご飯屋さんを教えてくれたり。不思議なのは、独身同士でこれだけ一緒に仕事をしているのに、一度も浮いた噂が立たないこと(笑)。一緒にご飯を食べに行っても、一回も写真を撮られたことがない! なぜでしょう!?」と笑う。
『山村美紗サスペンス 赤い霊柩車39 FINAL~弔の京人形~』より (C)フジテレビ
石原葬儀社の秋山専務を演じる大村崑は、「30年間一度も、NGを出さないんですよ。師匠(大村)の脳みそはどうなっているんでしょう! 暴露裏話をするならば、師匠は自分の出番のシーンしか台本を読まないんです。それには理由があって、師匠は放送をこよなく楽しみにしているから。秋山さんは事件に関わっていないので、なるほどそのほうがリアルなんですよね。放送で事件の展開を見たいから、台本を読まないんだとおっしゃっていました」とシリーズの一番のファンだという。
そして事務員の良恵役の山村紅葉とは、「すごく長いお付き合いで、プライベートでも食事に行く仲」だそうで、「先日シリーズの第1回目を観たところ、もみちゃんがとてもおとなしい京女として、良恵さんを演じていました。回を増すごとにコメディエンヌになっていったんですね。それは師匠のお導きがあったからこそ。師匠の教えがあって、今のもみちゃんが確立した。もみちゃんは現場でも黙々と自主トレをする、努力家です」と賛辞が止まらない。
片平にとって、明子は理想の女性として残り続けるという。「明子を演じる時には、刑事っぽくならないことを心がけていて。犯人と接する際にも、追い詰めるのではなく、感情を大切にしてきました。春彦さんとのやり取りもそうですが、かわいげのある女性でありたいと思っていました」と役作りのこだわりを口にしながら、「私自身、歳を重ねてもかわいいおばさんでいたいし、かわいいおばあちゃんになりたい。狩矢警部を演じる若林豪さんは、狩矢警部としてはダンディな2枚目ですが、普段はお茶目でとてもかわいらしいんです。あんなふうに歳を取っていきたいなと思っています」と宣言。
シリーズへの愛とサービス精神たっぷりにインタビューに応じた片平なぎさからは、充実感とキラキラとした笑顔があふれていた。(取材・文・写真:成田おり枝)
『山村美紗サスペンス 赤い霊柩車39 FINAL~弔の京人形~』は、フジテレビ系にて3月17日20時放送。