「70歳でもライブを」 南キャン・山里亮太が思い描く理想の世界 見えたストイックな一面
関連 :
――映画には「ユートピア」が登場しますが、山里さんが思い描くユートピアはどんな世界ですか。
山里:自分のやりたいことに対して、課題が定期的にずっと出続けるというのが、パーフェクトな世界ですね。
――課題をずっとやり続けたいと? やはり出木杉君的なストイックさですね。
山里:いや、ストイックというか、臆病なので、面白みがないんですよ(笑)。自分の世界であるライブを、自分がもういいと思うくらいまでやり続けていたいんですよ。例えばスポーツでも、練習も全部楽しんで、試合でいい結果を出して、最高の気持ちになる人もいるけど、僕の場合は、試合の日まではずっと不安で、自分はダメだとか向いていないとか思いつつ、試合の日に成功したらそれが全て「楽しかったこと」に一瞬にして変わる感じ。だから、「自分のやりたいこと=課題」で、それが定期的にずっと70歳から80歳くらいまであれば良いなと思います。
――仕事に慣れてしまわないよう、緊張感を維持しているところもありますか。
山里:慣れるほどの能力はないし、「今回成功できたのは、ここまでの積み重ねがあったから」、逆に言えば「これがなかったらできなかったんだ」と思う恐怖が常にあるんですよ。何も準備せずにできてしまう人が山ほどいる世界なので、僕はできる限り準備します。
――では逆に、完璧を求めすぎて失敗してしまったこともありますか。
山里:それはたくさんあります。僕の場合、完璧なモノという勝手な正解を作って、それに近づけようとするんですけど、結局たどり着かなくて、心折れてしまう繰り返しです。理想とか目標って、ともすれば足を引っ張ってくるものだから。