モーニング娘。'22石田亜佑美&加賀楓、“ダンス”ツートップが先輩後輩を超えて認め合う部分とは
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――今回の作品は、6月加入の新メンバー・櫻井梨央さんの初参加シングルになりました。石田さんはグループ加入から12年目、加賀さんは6年目ですが、先輩の2人から見た櫻井さんの印象は?
モーニング娘。'22(左から)加賀楓、石田亜佑美
石田:櫻井について、かえでぃー(加賀の愛称)がどう考えているか聞いたことない。というか、意見交換したことがない(笑)。
加賀:(笑)。櫻井はダンスはもちろん、歌に自信をもって欲しいと思っています。今、全員のユニゾン(複数で同じ旋律を歌うこと)で歌ったとしても、櫻井の声は前に出るんです。声質の問題で、初めて聴いたときは衝撃を受けたし、今までにない耳心地でビックリしました。たくさん歌って自信を持てればモーニング娘。‘22の声色を変えていけると思いますし、すごく楽しみです。
石田:一緒にツアー(9月〜12月)を回ってきて、ガッツがあるなと思いました。1人きりの加入で、先輩たちの目がすべて自分に向くから、注意されて落ち込む瞬間も絶対にあったと思うんですよ。でも、みんなの前でヘコんでいる顔を見せないし、体力が心配で声をかけると「大丈夫です!」と答えてくれるので根性が見えました。
ツアー以外も、初挑戦のことに対する前向きさも感じましたね。MV撮影のソロリップ(録音した音声に合わせて発声せずに口を動かす)シーンでは表現が完璧で、「余裕そうだったね」と聞いたら「研究してきました」と言われたんです。雑誌の撮影でも、未だに私は表情に迷ってしまうのですが、櫻井はいろいろな表情を自然に見せていて、聞いたら「牧野(真莉愛)さんたちの撮影を見て研究している」と言ってました。何事にも前向きで「私もやる!」と取り組む姿勢はカッコいいです。
――メンバーが変わりゆくのは、モーニング娘。の象徴。頼もしい新メンバーが加入した一方、加賀さんがグループを卒業します。「学びたいこと、目標ができ、今回卒業を決めました」と発表したブログでは、将来は「ダンスに関わる仕事をしていけたら」と述べていましたが、そう考えた経緯は?
加賀楓
加賀:私たちはダンスも強みに活動しているので、ダンス関連の仕事が多いんです。その一つ、ハロプロメンバーのレギュラー番組『ハロプロダンス学園』(ダンスチャンネル)は大きなきっかけでした。番組ではゲストのダンサーさんに色々なジャンルのダンスを教えていただくんですけど、出演してくださった方々から「僕たちは言葉を使わずにお芝居をします」と聞いたり、仕事に対する表現方法が違うんですよ。それぞれ「どんな気持ちでダンスを楽しんでいるか」と考えながらお話を聞くようになってから、一言でダンスと言っても色々あると思って、ダンスの枠で自分の世界を広げたいと思ったときに、自分の思考がグループから外に行ったのが経緯でした。
――そんな加賀さんの思いを受け止めた石田さんは、ブログで「自分の見せ方で好きじゃない部分を、かえでぃーに、こうなんだよねーって話したら、でもそれはこうでこうで…って、かえでぃーの持っている観点で肯定してくれた」と振り返っていましたよね。
石田:ブログを書きながら思い浮かべたのは、日本武道館のような大きな会場での経験でした。私は、大きな会場だとテンションが上がってしまうので、ダンスが大振りになってしまう癖があるんです。本当はもっと繊細に音を取ってオシャレに踊りたいのに、思うようにできないのが悩みで毎回反省していて…。それをかえでぃーに伝えたとき「大きい会場のステージに立つんだから、動きも大きくならないとつまらなくないですか?」と肯定してくれたんです。自分の固定概念を変えられるような意見をメンバーからもらったのは初めてで、それからもグループのパフォーマンスについてはお互いに意見を話す関係になりました。