『アバター』続編、過酷撮影に挑んだ俳優2人 「メンタルの困難」「年齢との闘い」明かす
関連 :
サムとスティーヴンともに、世界的大ヒットとなった『アバター』で演じたキャラクターは大きな印象を与え、彼ら自身のキャリアの上でも特別な作品になったことは想像に難くない。スティーヴンは、「アバターが自分の人生やキャリアに長期的に与える影響を知ることは難しいですが、この13年間で私が受け入れたことのひとつは、アバターがおそらく、一生、私の人生と絡み合っているということです。そして、私はそのことにとても満足している。すべてが始まった2007年当時、誰が2020~23年に続編が続くことを知り得たでしょうか? 私たちは今まだその真っ只中にいて、まだまだ先は長い…驚くべきことです」と吐露。サムも「これから物語がどんなものになるのか、自分にどんな影響が及ぼされるのか、そのすべての可能性が、素晴らしいものだと思っています」と作品への信頼を明かす。
サム・ワーシントン
ところで、スティーヴンといえば、日本では「アバター」シリーズの他、「ドント・ブリーズ」シリーズでの盲目の老人、ブラインドマン役でも鮮烈な印象を与えた。どうしたら悪役をそんなに魅力的に演じられるのかと尋ねると、スティーヴンは思わず苦笑い(隣のサムも爆笑)。スティーヴンは「誰も自分をヴィランだと思っている人はいないと思うんですよ(笑)」と口を開き、「私たちはみんな、自分自身の物語の主人公なんです。ハッキリ言わなくても、どこかでそう思っているものです。まずは、キャラクターの中に自分が共感できる部分を見つけるのが出発点ですね。そうすることで、演じやすくなります。その役の“人間性”を見出すことが、私がクオリッチやブラインドマンを演じるうえで試みたことの全てです。他の役も同じだと思います」。さらに「そうですね…十分に愛情を注げば、人々は彼らを認めてくれると思います。愛してもらえるかどうかはわからないけど、少なくとも人間として認めてもらえるはず。もし私が彼らを受け入れ、愛さなければ、人々にとって彼らはただの“お決まりの悪役”になり、誰も気に留めないだろうね」と続けた。
スティーヴン・ラング
隣でうなずきながら聞いていたサムにも、ジェイクを演じるうえで、13年間の心境の変化があったのかを聞いてみた。今作でジェイクは父親になり、子育てに奮闘中。サム自身も私生活で結婚し、子どもを持つ親になった。「守らなければいけない、あるいは大切な人がいるからこそ恐れるという本能は、子どもを持つ親になると自然に出てくるものだと思います。自分の父親としての感情を取り入れるということはもちろんしましたね。親として、今回のジェイクは『耳を傾ける』ことを学んでいるのです。ああしろ、こうしろと言うだけではなく、子どもたちの意見を受け入れていく。私自身も父親としてそれを学んでいる途上だと思います」と自身とキャラクターを重ねる。そして「それぞれの役者としっかり関係性を作ることができれば、物語の中で何かが役に起きた時、自然に思いが出てくるものです。自然に生まれる生々しい感情、それが広い意味での真実となり得るのです」と、共演者と関係を築くことの重要性を語った。