業界大注目のコント集団・ダウ90000が語る“これから”「軸を大事に個々としても大きく」
――蓮見さんは今回、モニターでみなさんの演技チェックもされたとか。
蓮見:はい。メンバーに「気が抜けた顔して映ってるから気を付けて」と言ったら、次は気合入りまくりの顔になっていたり。「そんなに不器用なのかよ!」となることもありましたね(笑)。
忽那:今回映像でのお芝居をしてみて、順番通りの撮影じゃないので気持ちが難しかったです。焦っている場面を撮る場合も、その前の気持ちを思い出してから、スタートの瞬間に気持ちをバッと出したりしなきゃいけなくて。
蓮見:ゼロからの挑戦になったことで、撮影期間中にみんながすごく成長しているのを感じました。まずはその場に慣れてルールを理解するところから入って、ちょっとずつ肝が据わっていった。最初に比べるとうまくなりました。でもここからどれだけ伸びられるかが勝負なんだろうと。
――メンバーから蓮見さんを見ていて、変化などは感じましたか?
吉原:これまでに蓮見さんが戸惑ってる姿って見たことがないんです。連続で全15話を書くのは蓮見さんも初めてだったと思うのですが、内心はめちゃくちゃ焦ったりしているのかもしれないけど、今回もそれを全然表に出さない。「だから人からいろいろ任されるんだろうな」と思います。今回は小関裕太さんを主役にお呼びして、8人全員で初めて挑んだ映像でしたが、蓮見さんはブレないなと改めて感じました。
忽那:安心します。
■個々の成長が、これからのダウ90000を大きくしていく
(左から)吉原怜那、蓮見翔
――結成から2年、すごい勢いで活動が広がっていますが、今後のダウ90000はどうなっていけばいいと考えていますか? 吉原さんは最年少かつ学生と兼業している立場からも聞かせてください。
吉原:最年少で学生でと言っていただきましたけど、兼業というほど学業は頑張ってなくて…。
蓮見:ダブったもんな。
吉原:そうなんです(苦笑)。私はみんなより生まれるのがちょっとだけ遅かったので、お仕事がたくさんあるタイミングと卒論を書かなきゃみたいな時期が重なってしまいましたけど、正直、今はダウ90000の活動を100%でやりたいと思っています。大学に行きながら音楽をやったり、芸人をやったりと両立している人もいて、学業は学業でちゃんとやりたいという人もいます。たしかに学校も大切だと思いますが、でも私としてはダウ90000の活動を生活の軸にしたいと思っています。
上原:そうなんだ。初めて聞いた。僕はダウ90000がかなり注目されるようになったこの1年、“そわそわ”だけで過ごしてきちゃった自覚があるんです。でもそれだけじゃダメに決まってて。自分が「ダウ90000で何ができるのか、どういう存在になれるのか」を考えている段階です。その先に、ダウ90000の人間として個人で何をしていけばいいのかが分かっていくと思っています。この1年の蓮見さんはえげつない忙しさでしたが、いつか各々のメンバーが今年の蓮見さんと同じくらいの忙しさになるときが来ると思うし、来なきゃいけないと思う。そうなるように頑張っていかないとなと思っています。
上原佑太
忽那:このまま蓮見さんの脚本がどんどん面白くなっていって、ダウ90000も面白くなって規模も大きくなって、続けていけるのが理想です。そしてひとりひとりがいろんなところで、いろんなものを見ていって、ダウ90000として集まることでどんどん大きくなっていければ。今は自分も足りない部分がたくさんあるので、何十年後かに、今の自分と比べてびっくりされるくらいに強化、成長したいです。
忽那文香
――最後に主宰の蓮見さん、お願いします。
蓮見:ダウ90000をスタートしたときに、「これはやろう、これはやりたくない」ということを何となく決めていました。なので、そこからブレたくないと思っています。舞台でもコントでも、映像のお仕事でも。メンバーに言ったことはありませんが、口で言うのは意味がないと思っているんです。でも最近、台本を渡したときに、俺が何を面白がって書いているのかを理解してくれるスピードがどんどん早くなっている気がしていて、俺がやりたいことや、ダサいと思っていることの共通認識が、8人でできてきていると感じています。個々の仕事に出て行ったときにもそういう軸を大事にしたままやってもらえば、ダウ90000だということが薄れないまま続いていけるんじゃないかと思っています。(取材・文:望月ふみ 写真:高野広美)
ドラマ『今日、ドイツ村は光らない』は、日本テレビ系にて11月5日・14時50分頃に最終話放送、Huluにて全話配信。