仲野太賀&草なぎ剛、珍道中のアメリカロケを経てプライベートでも影響し合う関係に
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(左から)草なぎ剛、仲野太賀
――金もツテもないけれども、強運と縁に恵まれた俳優志望の男が他人に“拾われ”続けることで、夢も恋もつかんでいくお話ですが、ご自身が「強運と縁に恵まれている」と感じたエピソードや人生の転機になった瞬間は?
仲野:たくさんの方との出会いのご縁と運でここまでこれたので、どこから感謝していいか分かんないぐらいで。本当にいろんな人に助けてもらったし、救われました。その中で特に印象に残っているのは、岩松了さんの演劇のワークショップですね。そのオーディションのチラシを劇場で見て、事務所に「受けたい」と伝え、受けさせてもらって受かったのですが、その時に岩松さんと出会えたことから、本当にいろんなことが広がって。演劇が好きになったきっかけだったし、いろんな人と出会えた。役者としての転機でした。
草なぎ:僕はいろんな人に拾われているから、こうやって毎日楽しく今過ごせていると思っていて。なので、選べないのですが、今思い浮かんだのは『いいひと。』(フジテレビ系)の星護監督ですね。星さんはすごくよくしてくれたし、初めての連続ドラマの主演で本当にうれしかったんです。あと『笑っていいとも!』(フジテレビ系)をはじめ、タモリさんにはすごくお世話になっているので、拾われたではないですけど、それに近い感覚はあるかな。
(左から)草なぎ剛、仲野太賀
――売れていない時代もあったと思いますが、今考えてその時だからこそ得られたことは?
草なぎ:僕は別にないかな。当時は後先考えてなくて。仲間もいたので楽しくて、のんきな感じでしたね。
仲野:僕はいっぱいあって、その時間が今の自分を作っていると思います。時間があったので、自分でいろんな所に出向いて自分を知ってもらったり、何かに触れてみたり。その時に行動力が養われたと思いますし、今の自分に残っています。
――チャンスをつかむために意識していることはありますか?
草なぎ:やっぱり元気でいることですね。僕も今年7月で48歳になり、手を伸ばすと50歳。周りのみんなは腰や膝が痛いとか言い出していて。なので、腰や膝が痛くならないよう動けるようにしています(笑)。健康じゃないとロケにも行けないし、ストレッチはこまめにしていますね。
仲野:僕は行動することです。動かずには何も得られなかったと思うので、好奇心が向いた方向に尻尾振って行くぐらいがいいような気がします。
(左から)草なぎ剛、仲野太賀
――売れない役者だった諭が航空券を“拾い”、“拾われた”ことからつながり始めたたくさんの人々との“縁”をつないでいきます。人との縁をつないでくために大事にしていることは?
草なぎ:自分1人だと何もできないので、本当に縁が全てだと思うんです。その中で、僕は自分に無理しないようにしています。それこそ嫌われたら嫌われたでいいかなと思っていて。この年になると、自分の好みも決まってるし、できないことはできないので、40歳を超えたあたりから自然体でいることを心がけています。仕事においてマナーとしてきちんと接することは大事ですが、わりかし無理しないことで、深い縁がつながっていく気がしますね。
仲野:確かにそうですね。僕はつながれてばっかりではなくて、縁をつないでいくのも縁をたぐり寄せる1つかなと思っています。僕、人と人をつなげるのが大好きで。その中で生まれるものを見てニヤニヤしたいタイプなんです(笑)。自分ももらったら渡すことができたらいいし、無理のない範囲でみんなでつながれたらいいなと思います。
(取材・文:高山美穂 写真:小川遼)
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