若手から信頼厚い内野聖陽 「最高のパフォーマンスを出してもらいたい」現場での優しい気遣い
良い作品を作るために…と周囲を盛り上げる内野の現場での姿勢。内野は「そんないいものではないですよ」と謙遜するが、携わった作品への愛は、話しぶりからも漏れ出てくる。
「今回『鋼の錬金術師』という作品に参加させていただいた大きな理由の一つが、大人の現実の感覚に耐えられるエンターテインメントであると感じられたからなんです。絵空事の世界にしっかりリアリティを持たせること…それがこの作品に参加した際、自分に課したテーマでした」。
内野が前述したように、設定自体はファンタジックであるが、描かれているものは、いまの世の中に非常にリンクした物語だ。それをどこまでリアルに表現できるか――。特に内野が担った役柄は、そのさじ加減が難しいキャラクターだったが、見事なまでに説得力を持たせた。
「世界中にファンがいる作品とお聞きしていますので、多くの人に観ていただきたいですし、日本にもこうしたエンターテインメントがもっと根付いてくれたらうれしいですね」。
(取材・文:磯部正和 写真:松林満美)
映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』2部作は、前編『復讐者スカー』が公開中、後編『最後の錬成』が6月24日より公開。