岸井ゆきの、“分かりやすい演技”を「最初からはやりません」
――近年出演作が途切れることなく続きますが、作品選びというのはどういう形で行っているのでしょうか?
岸井:最初はお話を頂いたものを受けるという形でしたが、近年は社長や会社、マネージャーさんたちとお話をしながら、決めていくという形になりました。個人的には映画が大好きなので、ずっと映画には出演したいという思いは伝えています。
――そんな中、重視していることは?
岸井:やっぱり監督さんかな。あとは題材と企画。でも一番は「この人とお仕事をしてみたい」と思う気持ちですね。
――台本の読み方などは、デビュー当時から変わりましたか?
岸井:お仕事を始めたころは、どうしても自分の役の名前が出てくると、身構えて読んでしまっていたのですが、最近は、なるべく初めて台本を読むときには、自分が出演する作品という気持ちを捨てて、物語として楽しもうとしています。そうすることで、お客さんがどんな気持ちで作品を観るのか…という客観的な視点を持つことができると思うので。
――岸井さんといえば、SNSなどで映画愛を爆発させていますが、やっぱり映画というのは特別なものなのでしょうか?
岸井:特別です!(笑)。テレビとは画角も違いますし、撮影現場も、ワンシーンにものすごく長い時間をかけますよね。出来上がった作品も映画はシーンごと流れが変わったりする。完成した作品を試写室で観たとき「あのシーンを入れ替えただけで、こんなにも印象が変わるんだ」と感動することも多いんです。