今夜の『キングオブコント2021』で躍進 “高円寺芸人”から目が離せない
関連 :
今夜、“真のコント日本一”を決める『キングオブコント2021』(TBS系/2日19時)で、第14代目の王者が決定する。先月、決勝進出の10組が発表されるやいなや、ネット上には「高円寺芸人多いなww」「高円寺芸人が決勝進出しまくりで幸せー!!!!」「高円寺芸人祭りwww」といった感想が寄せられた。今大会で躍進した「高円寺芸人」とは何者なのか?
【写真】マヂラブ、ニューヨーク、空気階段ら『キングオブコント』第14代王者の座をかけて争う10組
東京都杉並区・高円寺周辺は、古着店やライブハウスをはじめ個性的な小売店でにぎわい、若者に人気の街だ。「高円寺芸人」に厳密な定義はないが、その周辺を拠点に活動している、(主に)まだブレイク準備中の若手お笑い芸人たちの総称だ。
今年の『KOC』についてネット上でファンが盛り上がったのは、決勝に進出した10組中4組に「高円寺芸人」4人が含まれていたためだ。
1人目は、2年連続決勝進出で昨年の準優勝コンビ・ニューヨークの嶋佐和也。皮肉と風刺に満ちたネタが人気で、昨年の決勝では優勝まであと一歩で涙をのんだニューヨークだが、漫才にも定評があり、『M‐1グランプリ2019』(テレビ朝日系)から数えると、今回、メジャーな賞レースの決勝に4大会連続で進出したことになる。
『KOC』では3年連続ファイナリストで、昨年は第3位だった空気階段の鈴木もぐらも高円寺芸人。空気階段のコントは、鈴木演じる“街にいそうなヤバいおじさん”をはじめとするキャラクターが観る者を惹(ひ)きつける。鈴木については一時、多額の借金を抱えていたことで知られ、“クズ芸人”としてもその名をとどろかせていた。今夜、「コント王者」という新たな肩書を手中にできるか?
決勝初進出のお笑いコンビ、そいつどいつ・市川刺身も高円寺歴8年(うち2年は阿佐ヶ谷に“浮気”)の高円寺芸人。坊主頭がトレードマークの市川は、相方・松本竹馬が作ったネタの上で変幻自在にさまざまなキャラクターを演じ分ける。市川のキャラクターがハマれば、初進出でそのまま初優勝をかっさらう可能性は十分ある。
嶋佐、鈴木、市川の3人は高円寺在住10年近くか、それ以上という筋金入りの高円寺芸人で、昨年8月にお笑いコンビ・鬼越トマホークの坂井良多と共にYouTubeチャンネル「高円寺チャンネル」を開設。
コロナ禍の中、日頃お世話になっているお店を紹介して街を盛り上げようという名目で始まったこのチャンネルだが、漫才と“毒舌”芸が主体の鬼越の坂井以外、3人が今回、コント日本一の決戦の舞台に立つ。
さらに、その3人が高円寺芸人の“レジェンド”として崇め、同チャンネルにもゲストとして登場することがあるのが、マヂカルラブリー・村上。進学で上京した18歳から20年近く、高円寺の家賃3万8000円の激安アパートに住んでいた高円寺芸人界の重鎮だ。ご存知、マヂラブは昨年末の『M‐1』決勝に3年ぶりに返り咲き、見事優勝を飾った。
村上は『M‐1』優勝後も「引っ越しはしない」と公言していたが、先月の『ゴッドタン』(テレビ東京系/毎週土曜25時45分)にて、相方・野田クリスタルから“新中野の26万円のマンションに引っ越した”と暴露された。『M‐1』優勝後にはマヂラブの漫才をめぐって「これは漫才なのか?」という論争が起こったが、今のところ、村上をめぐって高円寺芸人論争が起きる気配はない。その高円寺愛は誰もが認めるところだろう。
そのほかにも、今年6月には『アメトーーク!』(テレビ朝日系/毎週木曜23時15分)が「高円寺芸人」を特集。風は確実に吹いている。今夜の『キングオブコント』では高円寺芸人から目が離せない。(文・前田祐介)
『キングオブコント2021』はTBS系にて今夜19時放送。