レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の傑作とされる絵画を巡る謎を描くドキュメンタリー映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』が、11月26日より公開される。このたび、俳優レオナルド・ディカプリオが恍惚とした表情で絵画を見つめる姿などを切り取ったシーン写真10点が解禁された。

　2017年、アート界に激震が走った。一枚の絵がオークションで、レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の傑作とされる「サルバトール・ムンディ」、通称「男性版モナ・リザ」として、史上最高額となる510億円で落札されたのだ。このニュースは世界中の人々の関心を集め、「購入者は誰なのか」「落札によって真のダ・ヴィンチ作品だと証明されたのか？」といった多くの疑問の声が沸き上がった。

　本作は、今なお謎が深まるばかりのこの名画にまつわる疑問を鋭く紐解いていく一方、知られざるアート界のからくり、闇の金銭取引の実態までも生々しく暴き出すミステリー・ノンフィクションムービー。

　すべてはニューヨークの美術商の“第六感”から始まった。ダ・ヴィンチには“消えた絵”があり、それには救世主が描かれているという説がある。名も無き競売会社のカタログに掲載された絵を見て、美術商はもしかしたらこれがダ・ヴィンチのものではないかと閃き、13万円で落札。彼らはロンドンのナショナル・ギャラリーに接触し、専門家の鑑定を得たギャラリーは、ダ・ヴィンチの作品として展示する。

　お墨付きをもらったこの絵に、あらゆる魑魅魍魎（ちみもうりょう）が群がった。意外な身元を持つコレクター、手数料を騙し取る仲介者、利用されたハリウッドスター、巧妙なプレゼンでオークションを操作するマーケティングマン、国際政治での暗躍が噂されるある国の王子。さらに、「ダ・ヴィンチの弟子による作品だ」と断言する権威も現れる。そして遂に、落札金510億円の出所が明かされるが、それはルーブル美術館をも巻き込んだ、新たな謎の始まりだった―。

　シーン写真は、絵画「サルバート・ムンディ」と、それに翻弄される人間たちの姿をさまざまな視点から捉えたもの。伝説の作品を一目見ようと、スマホを片手にオークション会場に群がる人々。アート好きでも知られるハリウッドスターのレオナルド・ディカプリオが、マーケティング会社が巧妙に仕掛けた策略とも知らず、恍惚とした表情で「サルバート・ムンディ」を見つめる姿を“盗み撮り”された場面。最先端のX線調査や熟練鑑定士による目視など、あらゆる方法で徹底的に絵画の“真偽”が調べられる様子。
　
　さらに、本作の話題を聞きつけ、狂気の沙汰とも言える世界的な絵画争奪戦に途中参戦したアラブの王族の姿、史上最高落札額を叩き出した当時のオークション会場での様子など、いずれも欲望にまみれたアート界の裏側を垣間見るようなものとなっている。

　映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』は、11月26日より全国順次公開。