『ニュー・ポープ』壮大な舞台裏&インタビュー収録の特別映像 ヤマザキマリらコメントも
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【著名人コメント】
◆今祥枝(映画・海外ドラマライター)
秘密めいたバチカンで、新旧教皇のジョン・マルコヴィッチとジュード・ロウが顔を合わせる瞬間を思い描くだけで、ぞわぞわ! 荘厳さの中に官能とエレガンスが漂う、パオロ・ソレンティーノの美学が貫かれた圧巻の映像世界は、いつまでも眺めていたい万華鏡のよう。
◆桂由美(ブライダルファッションデザイナー)
ストーリーもさりながらまずセット、衣装の壮大さに圧倒される。更に新旧教皇の悩み、対立、周囲の葛藤が赤裸々に描かれている。1993年、私は日本の博多織で2年かけて製作した金の法衣を第264代教皇・聖ヨハネ・パウロ2世に献上する件でバチカンに赴きお目にかかった際、穏やかな表情で「神に感謝」と日本語でおっしゃり、暖かく大きな手で握手をして下さった。その裏にもこのようなドラマがもしあったと思うと感無量です。
◆島田裕巳(宗教学者)
神聖なものの裏には必ずや政治とセックスがある。カトリックの総本山、バチカンも例外ではない。聖職者の性的虐待など、バチカンが直面する深刻な問題をエンターテイメントに仕立て上げた製作者の力量には驚嘆した。
◆SYO(映画ライター)
視覚的な遊びとは裏腹に、混沌は加速し不安は蔓延する。既得権益が崩れ、聖職者の愛が問われ、背後には忍び寄るテロリズム。擁立された新教皇は、呼吸音だけで民衆を動かす“彼”の影に克てるのか。「祈るだけ」の先を描くこのドラマ、やはり圧倒的だ。
◆辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
聖と性、強迫と慈愛、退廃と荘厳がうずまくバチカンの聖域に生息する、キャラの濃い教皇たち。イケメン教皇にポエム教皇、闇落ち教皇に病弱教皇……このドラマを観れば推し教皇が見つかって、魂が救われるはずです……
◆立田敦子(映画ジャーナリスト)
パオロ・ソレンティーノは映像美で知られる監督だが、単に綺麗なものを描くことには全く興味がない。欲望、成功への執着、醜態、狂乱といった俗っぽっく人間臭い部分にドカドカと踏み込み、人生の深淵を覗かせる。その強烈さ故に、彼の作品を好まない人もいるかもしれない。でも、それくらい強いリアクションを引き起こす作品は、絶対に観たほうがいい。
◆松尾貴史(タレント)
壮大さ、絢爛さ、そしてスタイリッシュ。すべての要素にただただ圧倒させられる。そして、見てはいけないものを見てしまったような罪悪感も。これほどまでに強烈で毒のある世界に、物語と現実の境界線が分からなくなる。見逃すと後悔必至!
◆ヤマザキマリ(漫画家・随筆家)
バチカンを描いたフィクションはいくつかあるが、さすがソレンティーノ監督、限界を超えた想像力と創作の自由がこれ程駆使されたものは前代未聞。世知辛いこのご時世に必要な、極上の栄養素に溢れたドラマであることは間違いなし。