リリー・フランキー、初の一人芝居による映画が誕生 齊藤工が企画&プロデュース
齊藤工が企画&プロデュースを務め、リリー・フランキーが初の一人芝居に挑む映画『その日、カレーライスができるまで』が今夏公開されることが決定。ポスタービジュアル、リリーや齊藤らのコメントが到着した。
【写真】企画&プロデュースを務める、齊藤工
本作は、日本の一家だんらんの象徴ともいえる家庭の味=カレーライスと、電波を通じて人を結ぶラジオが、ひとりの人生、ひとつの家族に優しい奇跡をもたらす心温まる物語。
主人公は、見慣れた食材が並ぶ台所に立つ、くたびれた男。彼は毎年恒例で、3日後の妻の誕生日に食べる特製カレーを仕込んでいた。外はどしゃぶりの雨。愛聴するラジオ番組で流れるリスナーの「マル秘テクニック」募集に、男はガラケーを手に取り、コンロでぐつぐつと音をたてる “3日目のカレー”についてメールでつづり始める。「今年も妻の誕生日にカレーを作っています。3日後が、誕生日です」「ただ、色々あって今年はひとりです」。その横では、幼くして亡くなった息子の笑顔の写真が見守っていた…。
主演は『凶悪』『そして父になる』『万引き家族』などの話題作で映画賞を多数受賞してきたリリー。本作で初めてワンシチュエーションでの一人芝居に挑戦する。イラストレーターや小説家としても活躍し、ラジオパーソナリティーも長年務めるリリーが、ラジオのヘビーリスナーを演じるのも見どころのひとつだ。また女優の神野三鈴が、齊藤工監督作『blank13』(2017)に続きリリーの妻役を演じる(声のみの出演)。
監督は、菅田将暉が主演を務める密室スリラーのリメイク映画『CUBE』の公開を今秋控える清水康彦。清水監督は、初長編監督映画『MANRIKI』以降、『COMPLY+-ANCE』をはじめ齊藤の関わる作品に多数参加。リリーとは、脚本・演出を務めたドラマ『ペンション・恋は桃色』チームでの再タッグとなる。
原案・脚本は、ドラマ『半沢直樹』(TBS系)などを手掛けた金沢知樹。齊藤の監督デビュー作『半分ノ世界』以降、数々の作品で彼とタッグを組んできた金沢が、2019年に劇団スーパー・エキセントリック・シアターの野添義弘還暦公演のために書き下ろした一人ミュージカル・アクション・コメディー『その夜、カレーライスができるまで』を原案として本作が誕生した。
主演のリリーは、齊藤について「『ヘンなひと』ですけれど縁のある方。本当に映画が大好きですし、ものづくりに対してはすごく真摯で、一緒に作っていくのが楽しい」と評し、「そんな工くんが企画して、清水康彦監督をはじめとする『ペンション・恋は桃色』と同じ、若くて心地よいスタッフたちと話しあいながら、何やらいいものができた……ような気もしないでもない? いわゆる舞台の一人芝居とは違って、シリアスさのなかにコミカルさがあるといった、映像ならではのユーモラスな作品になっていると思います。撮影はずっと一人だったので、3日間でしたが、濃い、いい経験をさせてもらいました」と語っている。
企画・プロデュースの齊藤は「この混沌とした現代にどんな作品が生まれるべきなのか? 映画は不要不急なのだろうか? 金沢さんの珠玉の脚本に、リリーさんと清水監督が対峙して下さいました。個人的には書かれている“プロデュース”なんて響きの働きは一切出来てませんが、いち映画ファンとして、この作品が三日目のカレーの如くしっかりと味わい深く完成し、必要な方にじっくりと届いて行く事を願っています」とメッセージを寄せている。
映画『その日、カレーライスができるまで』は今夏全国順次公開。