アニメ映画『この世界の片隅に』の主人公すずさんのような、戦争を生き抜いた庶民の生活のエピソードをアニメ化する特集番組『＃あちこちのすずさん ～コロナ時代を生き抜く 暮らしの知恵（仮）』が、NHK総合にて8月12日19時30分から放送されることが決まった。

　番組では、戦時中の生活の中にあった「苦難を切り抜ける知恵」「失敗しても笑いで切り抜けた話」など、新型コロナ禍の現在にも通じるエピソードをアニメ化し、スタジオで受け止める。新型コロナ禍で高齢者と若者のつながりが薄れる中、戦争中の「生活の知恵」を媒介に世代間をつなごうという試みだ。NHK「＃あちこちのすずさん」プロジェクトでエピソードの投稿を募っている。

　スタジオ出演は、戦争中の生活や文化に精通し、『この世界の片隅に』を手がけた片渕須直監督、祖父母の世代の体験を次世代に伝えたいという千原ジュニア、そして若者向けラジオ番組『らじらー！』（NHKラジオ R1）で新型コロナ禍の中での若者の悩みを受け止めるHey！Say！JUMPの八乙女光と伊野尾慧。

　千原ジュニアは「こんなに持ち帰らせて頂くものが多い番組は他には無いと毎年実感しております。戦争を経験していない世代の自分が戦争のことを語って良いのか、という想いも持ちつつ普段通りの生活ができづらいこの状況に溺れているからこそ、当時の不自由な生活の記録から学んだり気付かされることがあるのでは、という思いで今年も取り組ませて頂きます」とコメント。

　八乙女は「僕たちがこのプロジェクトに参加して3年目となりました。これまでの特番で印象に残っているのは、『戦時中に野草を食べていた』という投稿を実際に体験すべく、野草をゆがいて食べさせてもらったこと。苦いものもありましたが、当時は『味があるだけで幸せだった』というお話が印象に残っています」と明かす。

　伊野尾は「僕は去年とおととし、一度も会ったことのない兵士と文通をしていた93歳のおばあちゃんにお話を伺いました。実際にお手紙も拝見して驚いたことを覚えています。もし皆さんの周りでエピソードをお持ちの方がいたら、ぜひ話を聞いて僕たちに教えてください！　もしかしたら、僕たちが直接お邪魔するかもしれません」と呼びかけている。

　『＃あちこちのすずさん ～コロナ時代を生き抜く 暮らしの知恵（仮）』は、NHK総合にて8月12日19時30分放送。