『戦火のランナー』予告映像 “国のない男”、ロンドン五輪出場までに起きた奇跡
難民からマラソンランナーとしてオリンピックに出場した“国のない男”グオル・マリアルのロンドン五輪出場までの軌跡を描いたドキュメンタリー映画『戦火のランナー』より、感涙必至の予告映像が解禁された。
【動画】映画『戦火のランナー』予告映像
本作は、28人の家族が殺され2度誘拐され奴隷になったが、不屈の精神で走り続け、“国のない男”としてオリンピック出場を果たした実在のマラソンランナーの姿を描き世界を魅了した、感動のドキュメンタリー映画。
アカデミー賞にノミネートされたドキュメンタリー映画『IF A TREE FALLS』でライン・プロデューサーを務め、ドキュメンタリー映画『RACING DREAMS』ではプロダクション・マネージャーを務めてきたビル・ギャラガーがプロデューサー兼任で初監督を務める。すでにの世界中の数々の映画祭に出品され、数多くの賞を受賞するなど、世界中の人々の涙を誘い続けている。
「このままでは目の前で息子が死んでしまう―」。戦争の続くスーダンはどこも戦場で、子どもはさらわれ、家は燃やされていた。8歳のグオル・マリアルの両親は苦悩の末、彼の命を守るために、村からたった1人で逃がすことを決意。武装勢力に捕まるなど数々の苦難に見舞われたグオルだったが、4年に及ぶスーダン南部放浪の末、幸運にも難民キャンプで保護され、16歳でアメリカへ移民するチケットを手にする。
その後、初めて走ったマラソンで2012年ロンドン五輪出場条件タイムをクリアしオリンピックで走る資格を得るものの、新たに建国された南スーダンには国内オリンピック委員会がなく、代表する国がなかったグオル。だがそんな彼に奇跡が起こる。国際オリンピック委員会(IOC)が“国のない男”といわれた28 歳の彼の個人参加選手としての出場を大会直前に認めたのだ。そしてグオルは、祖国南スーダンの人々の期待を背負い走り、見事完走する―。
解禁された予告編は、グオルがスーダンの故郷の村から脱出する様子をアニメーションを交えて描くところからスタート。そこからは、グオルのインタビュー映像に加え、スーダンの南北分離と内戦という緊迫のニュース映像、さらに夢へのチケットを手に入れた初マラソンの映像などが映し出される。そしてラストには、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子による本作へのメッセージも登場し、1人の“国のない男”が走る才能を見出され、オリンピック出場を果たすまでに、どれだけの困難を乗り越えてきたのかを垣間見ることができる予告映像となった。
現在は今年開催予定の東京オリンピックに向け、米国チームの一員として出場権獲得を目指しているグオル。その不屈の精神で走り続ける彼の人生に感動せずにはいられない、感涙のドキュメンタリーに注目だ。
ドキュメンタリー映画『戦火のランナー』は6月5日より全国順次公開。