「人間狩り」を題材に、現代アメリカ社会を過激に風刺したサバイバル・アクション映画『ザ・ハント』より、本編映像が解禁。女優のベティ・ギルピンとヒラリー・スワンクが、キッチンで予測不能のし烈な肉弾戦を繰り広げる場面を収めている。

　本作は、現代のアメリカで二極化する“上流階級VS庶民階級”や、ウェブ上でまん延する陰謀論などから着想を得て、SNS上でのヘイト発言などを「人間狩り」に置き換えて過激に風刺した問題作。

　キャストは、“狩られる側”として突然拉致される一般庶民のクリスタルをベティ・ギルピン、そして“狩る側”の黒幕・アシーナをヒラリー・スワンクが演じる。製作を手掛けるのは、『ゲット・アウト』や『パージ』シリーズなどで知られ、斬新なアイディアの作品を次々と生み出すブラムハウス・プロダクションズを牽引するジェイソン・ブラム。

　広大な森の中で目覚めた12人の男女。ここがどこなのか、どうやって来たのかも分からない。あるのは巨大な木箱に収められた一匹の豚と数々の武器。すると突然銃声が鳴り響き、何者かに狙われる。武器を取り、逃げまどいながら、やがて彼らは気づく。ネット上にはびこる噂だった、セレブが娯楽目的で一般市民を狩る“マナーゲート”が実在することを。しかし、“獲物”のひとりである美女クリスタルが予想外の反撃に出たことで計画が狂い始め、やがてその陰謀の全容が明らかになっていく。

　本編映像は、反撃行動を起こしたクリスタル（ベティ）が、ついに人間狩り計画の黒幕であるアシーナ（ヒラリー）と対峙し、洗練されたキッチンで決死のバトルを繰り広げるシーン。なぜか軽やかなクラシックのBGMが流れる中、2人は自身の肉体はもちろん、吊り電球、ガスバーナー、オーディオ、暖炉の炎までキッチン中のあらゆるものを武器にして激しい肉弾戦を展開。クリスタルが高価そうなシャンパンを投げると、アシーナが「それはダメ！」と叫びながら見事にキャッチ。そんな状況にウケてしまったのか、クリスタルは不気味な高笑いを響かせる。この後どちらが勝利するのか興味がそそられる、迫力の決戦シーンとなっている。

　本作で最後に撮影されたというこのシーンについて、ベティは「現実となった私の夢のグランドフィナーレだった。私たちが壊すためにキッチンのセットが用意されたの。信じられなかったわ。まるで氷の彫刻だったわね。撮影後には、セットがすべて破壊されてしまったの」と壮絶な撮影を振り返る。

　また、オスカー女優であるヒラリーとの共演については「初めて共演した日、彼女が振り返って私のことを見た瞬間に失神しそうになったの。なにせ2つもアカデミー賞を授賞している人よ。本当にヒラリーはすばらしかったわ。彼女と対決するシーンを演じた時には、自分の体をつねってみたくなったくらい、嬉しかった」と大きな喜びだったと明かしている。

　映画『ザ・ハント』は10月30日より全国公開。