『赤い闇』ウクライナの壮絶な飢えの実態 オレンジの皮に人々が群がる本編映像
スターリン体制下のソ連に命がけで立ち向かった英国人ジャーナリストの実話を描く映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』より、本編映像が解禁。当時のソ連が隠していた、ウクライナの人々の壮絶な飢えの実態が垣間見える場面を収めている。
【写真】主人公がウクライナで見た真実とは『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』場面写真
秘密主義の独裁国家“ソビエト連邦”に潜入した実在のイギリス人ジャーナリスト、ガレス・ジョーンズが、その“偽りの繁栄”を暴こうと命をかけて闘う様を描く本作。映画『太陽と月に背いて』『ソハの地下水道』などで知られるポーランド出身のアグニェシュカ・ホランド監督がメガホンをとり、若き英国人記者の主人公ジョーンズを、次期ジェームズ・ボンド役とも噂される俳優のジェームズ・ノートンが演じる。
解禁された本編映像は、ジョーンズがウクライナに向かう列車に乗り込んだ直後のシーン。汽車に揺られる中、明かりも暖房もない貨物列車のような場所に詰め込まれている大勢の人々は、ジョーンズがカバンから1つのオレンジを取り出すと「食べ物だ」と一斉に注目。そしてオレンジの皮を剥くジョーンズを、餌を狙うハイエナのように、あるいは1人オレンジを食べようとするジョーンズに対して憎しみを感じているかのように凝視する。
その後、ジョーンズがオレンジの皮を何気なく床に投げると、人々は一斉に立ち上がり、まさにハイエナのごとく無言で皮に群がるのだった…。汽車が到着した時、果たしてジョーンズはウクライナの地で何を知ることになるのか。ソ連が「理想郷」と謳っている裏で、現地の人々がどれだけ飢えに苦しんでいたのかが痛々しいほどに伝わる映像となっている。
1933年、ヒトラーに取材した経験を持つ若き英国人記者ガレス・ジョーンズ(ジェームズ)には、大いなる疑問があった。世界恐慌の嵐が吹き荒れるなか、なぜスターリンが統治するソビエト連邦だけが繁栄しているのか。その謎を解くために単身モスクワを訪れたジョーンズは、外国人記者を監視する当局の目をかいくぐり、すべての答えが隠されているウクライナ行きの汽車に乗り込む。やがて凍てつくウクライナの地を踏んだジョーンズが目の当たりにしたのは、想像を絶する悪夢のような光景だった…。
映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』は8月14日より全国公開。