河瀬直美監督『朝が来る』 カンヌ国際映画祭公式作品選出 新公開日は10.23
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女優・永作博美が主演を務める河瀬直美監督の最新作『朝が来る』が、カンヌ国際映画祭公式作品【CANNES 2020】に正式に選出された。また、劇場公開が延期されていた本作の新たな公開日が10月23日に決まった。
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フランス現地時間6月3日18時 (日本時間4日1時)より行われた【CANNES 2020】のラインナップ記者発表にて、本作が【CANNES 2020】作品の1本に選出されたことが発表となった。
河瀬監督にとっては、『萌の朱雀』(1997)、『沙羅双樹』(2003)、『殯の森』(2007)、『朱花の月』(2011)、『2つ目の窓』(2014)、『あん』(2015)、『光』(2017)に続いて、8度目のカンヌ国際映画祭公式選出作品となる。
【CANNES 2020】とは、新型コロナウィルスの影響で通常通りの単独開催を断念したカンヌ国際映画祭が、従来の部門別公式選出リストではなく、来年春までの劇場公開が予定されている作品の中から、オフィシャルセレクションの部門の区別をせず、56作品を選出したもの。
70年以上のカンヌ国際映画祭の歴史の中でも初の取り組みで、新型コロナウィルスにより公開延期や撮影中止など硬直してしまった世界の映画産業、大幅延期を余儀なくされている他の数々の映画祭へのエールの意味も込められている。
今回選出された作品は、秋以降に開催される各国の映画祭と連携し、【CANNES 2020】の作品として上映される予定。
【CANNES 2020】選出の知らせに、河瀬監督は「正直に言えば、カンヌという、あの夢のような場所に『朝が来る』に参加した日本を代表する俳優やスタッフと共に行きたかった。そして、分かち合いたかった。でも、まだ地球ではそれができない。それは映画という『人生』の続きの場であり未来を形づくるリアルな舞台。その舞台はきっと、『朝が来る』の上映を待っている。【CANNES 2020】のレーベルという称号をいただけたことを誇りにして、これを機に、より多くの人々へこの映画を贈ります」とのコメントを寄せた。
主演の永作は「目の前の悶々とした空気をかき分け存在を示したカンヌ映画祭…前に進めと軽やかな風を流し込んでもらったような知らせでした。新たな道が開いたような」と選出を喜んだ。
直木賞作家・辻村深月による同名のベストセラー長編を実写化した本作は、実の子を授かることがかなわず、特別養子縁組という手段を選んだ夫婦と、中学生で妊娠し、子どもを手放すことになった幼い母の、それぞれの人生を丹念に描くヒューマンドラマ。
心から望みながらも、実の子を授かることができなかった栗原夫妻。ヒロインである妻の佐都子役を永作、夫の清和役を井浦新がそれぞれ演じる。また、望まぬ妊娠をしてしまった少女・片倉ひかり役を蒔田彩珠が務める。
映画『朝が来る』は10月23日より全国公開。