ソ連がひた隠した“闇”とは…名もなきジャーナリストが立ち向かう『赤い闇』予告解禁
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スターリン体制下のソ連に命がけで立ち向かった英国人ジャーナリストの実話を、次期ジェームズ・ボンド役ともうわさされる実力派俳優ジェームズ・ノートンの主演で描く映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』より、日本版予告編が解禁された。
【写真】主人公がウクライナで見た真実とは… 『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』場面写真
秘密主義の独裁国家“ソビエト連邦”に潜入した実在のイギリス人ジャーナリスト、ガレス・ジョーンズが、その“偽りの繁栄”を暴こうと命をかけて闘う様を描く本作。映画『僕を愛したふたつの国/ヨーロッパ ヨーロッパ』『太陽と月に背いて』『ソハの地下水道』などで知られるポーランド出身のアグニェシュカ・ホランド監督がメガホンをとり、息もつかせぬサスペンスフルな語り口と陰影豊かなビジュアルで、ジョーンズの不屈の闘いを描き出す。
1933年、ヒトラーに取材した経験を持つ若き英国人記者ガレス・ジョーンズ(ジェームズ)には、大いなる疑問があった。世界恐慌の嵐が吹き荒れるなか、なぜスターリンが統治するソビエト連邦だけが繁栄しているのか。その謎を解くために単身モスクワを訪れたジョーンズは、外国人記者を監視する当局の目をかいくぐり、すべての答えが隠されているウクライナ行きの汽車に乗り込む。やがて凍てつくウクライナの地を踏んだジョーンズが目の当たりにしたのは、想像を絶する悪夢のような光景だった…。
日本版予告編は、ジョーンズがモスクワに乗り込んでスターリンにインタビューを試みようとする場面からスタート。しかし、モスクワに来た目的を聞かれ「スターリンにインタビューをしたくて」と答えるジョーンズは「どの国の元首にも簡単に会えると?」と当局から冷たく言われる。そんなジョーンズに対し、ニューヨーク・タイムズのモスクワ支局に勤める女性記者エイダ(ヴァネッサ・カービー)は、「黙って聞いて。謎はウクライナに」と告げるのだった。
すぐさま汽車に乗り込み、肥沃な土地と伝えられていたウクライナに向かったジョーンズ。そこで目にしたのは、「パンをよこせ!」と食料を奪い合い、狂うほどに餓えた冷たい大地の人々だった。さらに、当局から逃れて行き場を失ったジョーンズはようやくスープにありつくが、具材を手に「なんの肉だ?」と問いかけるも、隣の少女はそれに答えず、不気味な咀嚼音を響かせる。
後半では、涙を流すエイダや、ニューヨーク・タイムズのモスクワ支局長であり、ピューリッツァー賞も受賞したウォルター・デュランティ(ピーター・サースガード)が映し出され、最後にジョーンズが「僕はソ連に行き、この目で真実を見たのです」ときっぱり語る姿で締めくくられている。
権力に屈するか、それとも真実を世に伝えるか。いろいろな思惑を持つジャーナリストたちの激しい葛藤と衝突の中、果たしてジョーンズは、ソ連の繁栄の裏に隠された闇を世に知らしめることができるのか。真実を追い求めたジョーンズの不屈のドラマに注目したい。
映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』は8月14日より全国公開。