「キネ旬」主演女優賞・瀧内公美、裸で体当たり『火口のふたり』撮影は「毎日湿布貼ってました」
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「第93回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」が、11日、都内で開催され、主演男優賞の池松壮亮、主演女優賞の瀧内公美らが出席した。
【写真】 「第93回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」に出席した瀧内公美、池松壮亮、池脇千鶴、成田凌ら
「キネマ旬報ベスト・テン」は、1924年(大正13年)からスタートした歴史ある映画賞。その年を代表する「日本映画」「外国映画」「文化映画」のベスト・テンを挙げるほか、「日本映画主演男優・女優賞」「日本映画助演男優・女優賞」「新人男優・女優賞」などその年の称賛すべき作品や映画人を選出し表彰する。
『宮本から君へ』で主演男優賞を受賞した池松は「言いたいことはたくさんあるんですけど、うまく言葉になっておりません」と心境を吐露。同作のDVD・ブルーレイ化に向けて、色味等をスクリーンの映像と揃えるべくスタッフが苦心していたことをエピソードとして挙げ「正しくないこととか、いつのまにかシステム化してしまったこととか、事なかれ主義とか悪い癖を、自分たちで食い止めようと誰かが怒ってはその壁を乗り越えて。そうやって現場にたくさんの"宮本"がいて、繋いでいただいてこういう場にいると思うと、僕だけの力では到底及ばない場所だったなと思います」と振り返った。
続けて「池松から宮本へ、この賞を重みを捧げることができたらなと思います」と作品名をもじって伝えたうえ、「なかなかうまく話がまとまらず...うれしいということだけは確かです。たぶん今日抱きしめて寝ると思います」とトロフィーの重みを実感していた。
一方、『火口のふたり』で主演女優賞を受賞した瀧内は同作について「フリーになったときに声をかけていただいた作品。『どうしようかな』と思っていた時に声をかけていただきました」と回顧。さらに「お相手役をしてくださった柄本佑さんに感謝を伝えたいです」と感謝を口にした。
劇中では裸のシーンが多かったことに触れられると「そういう作品ですからね。でも荒井監督に感謝してます」と笑顔でコメント。荒井晴彦監督の演出に対しては「(脚を)しならせるんだって言われました(笑)。毎日湿布貼ってました。首と腰が本当に痛くなった作品です」と苦笑した。
また、『町田くんの世界』で新人女優賞を受賞した関水渚は「人生の中で1番、自分が『生きてるんだな』と実感した1ヶ月でした」と撮影を述懐。女優としての目標を聞かれると「朝ドラにいつか出られたらと思っています」と笑顔で宣言した。
さらに、昨年10月に死去したイラストレーター・和田誠は特別を受賞。会場には、妻で料理愛好家の平野レミが代理で出席した。
「2019年 第93回キネマ旬報ベスト・テン」各受賞者
■作品
日本映画ベスト・テン第1位『火口のふたり』
外国映画ベスト・テン第1位『ジョーカー』
文化映画ベスト・テン第1位『i‐新聞記者ドキュメント‐』
読者選出日本映画ベスト・テン第1位『半世界』
読者選出外国映画ベスト・テン第1位『ジョーカー』
■個人
日本映画監督賞 白石和彌『ひとよ』『凪待ち』『麻雀放浪記2020』
日本映画脚本賞 阪本順治『半世界』
外国映画監督賞 トッド・フィリップス『ジョーカー』
主演女優賞 瀧内公美『火口のふたり』
主演男優賞 池松壮亮『宮本から君へ』
助演女優賞 池脇千鶴『半世界』
助演男優賞 成田凌『愛がなんだ』『さよならくちびる』ほか
新人女優賞 関水渚『町田くんの世界』
新人男優賞 鈴鹿央士『蜜蜂と遠雷』『決算!忠臣蔵』
読者選出日本映画監督賞 阪本順治『半世界』
読者選出外国映画監督賞 トッド・フィリップス『ジョーカー』
読者賞 ライムスター宇多丸、三沢和子連載「2018年の森田芳光」
特別賞 和田誠(映画の素晴らしさや愉しさを広く伝え、多くの映画ファンを育てた功績に感謝をこめて)