オダギリジョー、初長編監督作がヴェネチア国際映画祭へ出品「身が引き締まる思い」
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オダギリジョーが21日、都内で開催された映画『ある船頭の話』完成披露試写会に登壇。初長編監督を務めた本作がヴェネチア国際映画祭へ出品されることについて、「身が引き締まりますね」と心境を明かした。
【写真】ヒロイン・川島鈴遥は肩出しドレスで美しく
本作は、文明の波や時代の移り変わりに直面した山奥の村を舞台に「本当に人間らしい生き方とは何か」を世に問う問題作。完成披露には、主人公の船頭トイチを演じる柄本明、ヒロイン役の川島鈴遥、村人・源三役の村上虹郎も出席した。
3人に加え、伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優、細野晴臣、永瀬正敏、橋爪功ら豪華キャスト陣が集結するが、オダギリは「俳優をやっていて、同業者の中でも好きな人や嫌いな人がいる。好きな人に声をかけました」と回顧。
スタッフも国際色豊かなメンツが集結。撮影監督のクリストファー・ドイルについて、「僕らが気づかない日本の美しさをしっかり収めてくれている。日本の映画らしからぬ出来で、日本なのに日本じゃないように感じる理由の1つはクリスの撮影だから」と賛辞の言葉を。
さらに、衣装デザインを務めるワダエミについても「日本の宝のような人なのにこの作品をとても大切にしてくれて、家にある貴重な生地をたくさん使ってくれて。ギャラは少なかったと思うのに、お金にならない仕事をそれ以上のことで返していただいて本当に感謝しています」と真摯に語った。
第76回ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門へ出品される本作。オダギリは「身が引き締まりますね。イタリアの監督協会が選んでくれてる部門。日本では俳優・オダギリジョーというフィルターをつけられるけど、それがない形で評価していただいていると思うので、すごくうれしいです」と感慨深い様子。
柄本も「光栄なこと」と感謝し、同作について「今の映画からは逆行したような、普遍的な大きな問題を描いた作品」と表現。オダギリも「なかなか挑戦的なことをしていて、今の日本映画に見慣れている方はなかなか見づらい映画かもしれません」と前置きし、「でもそれに挑戦したかった。いろんなタイプな映画があるべきだし、今の日本の主流な映画がすべてでもないと思う。どう捉えていただくかは自由ですが、頑張って観てほしい」と呼び掛けた。
映画『ある船頭の話』は9月13日より全国公開。