イーサン・ホーク×ポール・シュレイダー監督『魂のゆくえ』予告&ポスター解禁
俳優のイーサン・ホークが主演を務め、本年度のアカデミー賞で脚本賞にノミネートされているポール・シュレイダー監督作『魂のゆくえ』より、予告編とポスターが解禁。予告編には、イーサンが内面に葛藤を抱える聖職者を熱演する姿が収められている。
【写真】『魂のゆくえ』ポスタービジュアル&場面写真
映画『タクシードライバー』『レイジング・ブル』などの脚本を手掛け、監督としても『アメリカン・ジゴロ』などを生み出してきたポール・シュレイダー監督が、構想50年の末に完成させた渾身作となる本作。戦争で失った息子への罪悪感を背負って暮らす牧師トラー(イーサン)が、自らの所属する教会が社会的な問題を抱えていることに気付き、徐々に信仰心が揺らいでいく様子を描く。主演のイーサンのほか、彼を頼る若い女性メアリーを女優のアマンダ・セイフライドが演じる。1月31日の時点で、64の映画賞を受賞、112のノミネートを果たしている。
トラーは、ニューヨーク州北部の小さな教会「ファースト・リフォームド」の牧師。ある日、トラーは礼拝に来た若い女性メアリーから、環境活動家の夫マイケルが思い悩んでいるので相談に乗って欲しいと頼まれる。仕方なくマイケルと話したトラーは、彼が地球の未来に思い悩むあまり、メアリーのお腹の子を産むのに反対していることを知る。説得を始めるトラーだが、心の底ではマイケルに共感していた。一方、トラーは自分の所属する教会が、環境汚染の原因を作る大企業から巨額の支援を受けていることを知る。本当の正義とは何なのか。トラーの信仰心は徐々に揺らぎはじめ、やがて怒りにも似た感情が彼を蝕んでいく…。
予告編は、愛国歌『リパブリック讃歌』のイントロが流れる中、牧師トラーが息子をイラク戦争で失った過去を打ち明ける場面から始まる。「2050年の地球はどうなってると思う? 最悪な時代が来る。伝染病、無秩序…生きてる間にね」と真剣な面持ちでトラーに語りかけるメアリーの夫マイケル。次第に心を通わせるトラーとメアリー。
トラーは自身が所属する教会「ファースト・リフォームド」の運営に意見すると、上層部の人間から「君は立場をわきまえろ」と一蹴される。その後トラーは「危機的な状況だ。誰かが行動しなければ!」と声を張り上げ、「神の意思だと思って割り切ればいい」と助言する司祭に背くように、ある決心をする。最後は、夕暮れの中ひとり佇むトラーの姿で映像は締めくくられる。
同時に解禁されたポスタービジュアルは、黒い背景にトラーの横顔が浮かび上がり、その顔に直線状の炎が横切っているもの。その炎の輪郭から、燃えているのは多数の木々と教会であることが分かる。果たしてそれは、トラーの心象風景なのか。物語の展開に興味をかきたてられるビジュアルとなっている。
映画『魂のゆくえ』は4月12日より全国順次公開。