松田龍平、「キネ旬」始まって以来の返り咲きに「やったぞ」と赤面しつつ興奮
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老舗映画雑誌による「第87回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式が8日、東京都内ホテルで行われ、女優の真木よう子、田中裕子、黒木華、俳優の松田龍平、マルチタレントのリリー・フランキー、子役の吉岡竜輝らが受賞の喜びを語った。
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1924年(大正13年)からスタートした同賞では、その年を代表する「日本映画」「外国映画」を10本挙げるほか、「日本映画主演男優・女優賞」「日本映画助演男優・女優賞」「新人男優・女優賞」などその年の賞賛すべき映画作品や映画人を表彰する。ベスト・テンおよび各賞の選出は映画評論家、日本映画記者クラブ員、新聞記者ら126名の投票によって行われた。
『舟を編む』により主演男優賞を受賞した松田は「主演男優賞をとりました。気づいたらいただいたという感じ」と淡々と感想を述べながらも「監督やスタッフ、キャスティングしてくれた方、皆さんのおかげ。そんな作品で監督賞も作品賞もとって、これ以上の嬉しいことはない」と静かに感激。松田は14年前の『御法度』で新人男優賞を受賞しており、新人男優賞受賞者が再び男優賞に選出されたのは同賞始まって以来と知ると「やったぞ」と赤面しつつも、少しだけテンションを上げていた。
『凶悪』『そして父になる』により助演男優賞を受賞したリリーは「銀座が吹雪でススキノ状態。ススキノ映画祭に来たのかと思った」とおどけつつ「20代の頃からキネマ旬報に書きたいと思いつつ、今日に至るまで書かせてもらっていないけど、出る方で賞をもらうという想像できないことが起きた。だからこそ(共演者の)ピエール瀧には取られたくなかった」と熱い思いを吐露して、会場を沸かせていた。
『共喰い』『はじまりのみち』により助演女優賞を受賞した田中は、1984年に松田龍平の父・松田優作さんの横で主演女優賞を受賞しており、松田親子二代の横にいることに「超嬉しいです」と満面の笑み。一方、『少年H』により新人男優賞を受賞した吉岡は「新人賞受賞者は再びこの舞台に戻ってくることはない」というジンクスがあることを聞くと「ジンクスを乗り越えて、さらに松田龍平さんを乗り越えて、助演男優賞もとりたい。叶えなければいけない夢が出来た」と逆風を闘志に変えていた。そのほか真木は『さよなら渓谷』『そして父になる』ほかにより主演女優賞を、黒木は『舟を編む』『シャニダールの花』ほかにより新人女優賞を受賞した。
日本映画作品賞は『ペコロスの母に会いに行く』(森崎東監督)、外国映画作品賞は『愛、アムール』(ミヒャエル・ハネケ監督)、文化映画作品賞は『標的の村』(三上智恵監督)、日本映画監督賞/読者選出日本映画監督賞は『舟を編む』の石井裕也監督、外国映画監督賞/読者選出外国映画監督賞は『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロン監督、日本映画脚本賞は『共喰い』の荒井晴彦氏が選ばれた。
<第87回キネマ旬報ベスト・テン>
【個人賞】
主演女優賞:真木よう子『さよなら渓谷』『そして父になる』『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』
主演男優賞:松田龍平『舟を編む』
助演女優賞:田中裕子『はじまりのみち』はじまりのみち
助演男優賞:リリー・フランキー『そして父になる』『凶悪』
新人女優賞:黒木華『舟を編む』『シャニダールの花』『草原の椅子』『まほろ駅前番外地』『くじけないで』
新人女優賞:吉岡竜輝『少年H』
日本映画監督賞:石井裕也『舟を編む』
日本映画脚本賞:荒井晴彦はじまりのみち
外国映画監督賞:アルフォンソ・キュアロン『ゼロ・グラビティ』
【日本映画ベスト・テン】
1位:『ペコロスの母に会いに行く』
2位:『舟を編む』
3位:『凶悪』
4位:『かぐや姫の物語』
5位:『共喰い』
6位:『そして父になる』
7位:『風立ちぬ』
8位:『さよなら渓谷』
9位:『もらとりあむタマ子』
10位:『フラッシュバックメモリーズ 3D』
【外国映画ベスト・テン】
1位:『愛、アムール』
2位:『ゼロ・グラビティ』
3位:『ハンナ・アーレント』
4位:『セデック・バレ 第一部 太陽旗』『セデック・バレ 第二部 虹の橋』
5位:『三姉妹~雲南の子』
6位:『ホーリー・モーターズ』
7位:『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
8位:『ザ・マスター』
9位:『熱波』
10位:『もうひとりの息子』