松山ケンイチ、標高3000メートルの山岳ロケで「思う存分裸になることができた」
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映画『春を背負って』の完成披露会見が13日東京都内で行われ、主要キャストの松山ケンイチ、蒼井優、豊川悦司、檀ふみ、新井浩文、そして木村大作監督が登壇した。
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映画『八甲田山』『復活の日』『鉄道員(ぽっぽや)』など日本が誇る傑作群で名キャメラマンとして活躍した木村による、長編映画監督作第2弾。標高3000メートルの立山連峰・大汝山にある小屋を舞台に、家族の絆や様々な思いを背負う人々の心の交流を描く。
山岳ロケを行った松山は「自然に逆らわないように立っていただけで、どんな風に映って、どんな演技をしているのか予想がついていなかった。出来上がった作品を観て自分の見たことのない表情があってびっくりした」と非日常世界で新たな自分を発見。
撮影地まで5時間ほどの登山を行ったそうで「高山病になりかけたし、寒いけど汗は止まらず、膝もガクガクして大変だった」と苦労を明かすも「それがあったからこそ、説得力を持って役としてそこにいれたと思う。地上でセットを立てて演技するよりも、3000メートルの山小屋で寝泊まりするのが大事だった気がする」と充実した表情を浮かべた。
蒼井は「ただまっすぐな雪道を3時間くらい登らなければいけなかったときはきつかった。何もない場所に放り出されてしまうと色々な事を考えてしまって、自分自身を追いつめてしまうこともあった」と過酷さを滲ませながら「木村監督の“今まで”と“今”が凝縮された作品の一部になれたことが幸せ。正直この作品に出演できた実感がまだわかないくらい、自分の中では今までの作品作りとは違うものになった」と特別さを強調した。
豊川も「清水の舞台から底なし沼に飛び込むような感覚だった」と本作への出演を決めた瞬間を振り返りながらも、現場については「まるでハワイの真っ青な海のように温かかった」と好印象。
それは松山も同じで「監督が怒鳴っていても、スタッフの方が怒られ方をわかっていて後腐れがない。結局最後は笑っているのがほとんど。現場の空気作りがあったおかげで、自分自身思う存分裸になることができた」という。
当の木村監督は「僕が見ていたのは表情。表情が良ければセリフも上手くいく。その人の日常を感じさせてくれたらOK。その人の持っているものを出してもらうための雰囲気作りが大切」と独自の演出論を披露していた。
映画『春を背負って』は6月14日より全国公開。