北海道夕張市で開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」で27日、オープニング招待作品『偉大なる、しゅららぼん』がメイン会場のアディーレ会館ゆうばりで上映され、水落豊監督、渡辺大、貫地谷しほりが舞台挨拶に登壇した。

　ゆうばりには初の来訪となった3人は、沿道から黄色いハンカチを振り「おかえり」という言葉で迎える歓迎ぶりに驚きながらも温かな印象を持った様子。さぞ夕張に好印象と思われた3人だが、夕張が誇るゆるキャラ（？）「メロン熊」の印象を尋ねられると、「先ほどお会いしましたが、スゴかったです……」と貫地谷が絶句。

　メロン熊は「ゆるキャラ」と呼ぶのもためらわれるリアルで狂暴な造形が特徴で、「夕張の農家を荒らし、おいしいメロンを食い荒らしたことで変貌した」とされるキャラクター。その狂暴な表情は大人でも腰が引けるほどで、子どもなら高い確率でトラウマになりかねない。普段はメロン熊をコントロールする専門アドバイザー・なっちゃんが同行しているが、「そのなっちゃんも有名な方なんですよね？」と逆に質問するなど、3人は意外な夕張通ぶりを見せていた。

　撮影中の様子について貫地谷は「みんな自由に、好きなことができた現場でした」と明かしたが、渡辺もこれに「万城目学さんの原作も個性的なキャラクターばっかり出てくるので、みんながパワーで、自由に引っ張って作りました」とこの意見に同調。

　個性豊かな出演陣に奔放に振る舞われ、さぞ監督は苦労したのではと思われたが、水落監督は「みんながメロン熊で、僕はなっちゃん」と夕張ネタをうまく絡めてまとめ、「万城目ワールドを崩さず娯楽映画を追求しましたので、堪能していってください」と観客にメッセージを送った。

　「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」は3月3日まで北海道夕張市で開催。