『呪術廻戦』原作ファンも驚くMAPPAの演出力「世界線変わったかと」「原作勢の方が辛かった」
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テレビアニメ『呪術廻戦』第2期「懐玉・玉折」の3話目となる第27話(MBS・TBS系)が7月20日に放送。物語のターニングポイントとなる第27話では、衝撃の展開を効果的に演出するMAPPAの技法が大きな反響を呼び、SNSには結末を知る原作ファンからも驚きの声が多数寄せられている。
【写真】“悪い顔”がかっこいい! 五条悟と戦う伏黒甚爾
第27話「懐玉-参-」では、“星漿体”の少女・天内理子を護衛する五条悟を、第2期から登場して不気味な雰囲気を出していた“術師殺し”伏黒甚爾(通称:パパ黒)が襲撃。目にも止まらないスピードで襲いかかる甚爾と、豪快な術式で対抗する五条の激しい戦闘が描かれると、「五条悟vs伏黒甚爾の戦闘シーンが格好良すぎた…こんなに伏黒パパってこんなに早かったのか」「やっぱパパ黒は動きがつくと、スゴいね。アニメにした甲斐があるわ」などと驚がくする原作ファンが続出。
さらに原作者の芥見下々も、「今季は3D前提の演出や作画が多い印象です!! もはやアニメ業界では必須スキルな雰囲気さえありますね!! すごい時代だ!!」としたうえで、五条の“蒼”発動シーンと思われるイラストとともに「WEB系(死語)世代の琴線に触れる五条」「パパ黒はやーい」とコメントを寄せている。
戦闘は甚爾が五条を圧倒。甚爾がどれだけ強くても、第1期からさんざん反則じみた強さを見せてきた五条が「さすがに負けることはない」という意識付けができていたぶん、めった刺しのシーンがよりショッキングに映る。その衝撃を際立たせるような緩急のある時間描写や鮮やかな色彩表現が印象的で、「アニメでアップでしかも虫が集ってるの あの最強の五条悟が本当に…っていう絶望感があって好きだな」「五条の血の『赤』がより絶望的に感じる」「もう制作陣がメンタルぶっ壊しに来てるよねw」といった声が投稿されている。
第27話のもうひとつの見どころは、ラストの天内銃撃シーン。制作側の勝負どころとなるこのシーンを効果的に見せるためには、それまでにどれだけ天内のキャラクター、背景、心情、世話係の黒井との関係を視聴者に根付かせ、感情移入させられるかどうかが肝となるが、MAPPAは実質2話で完璧に近い準備を整えている。第26話で天内の天真爛漫な人柄と黒井の家族愛を描き、第27話は沖縄で同化前の最後の時間を過ごす天内と黒井、水族館の回想、2人の別れ、そして天内が「みんなと一緒にいたい」と心の内を吐露するシーンではエンディングテーマを差し込みながら天内と夏油傑の表情を繊細に描写して視聴者の感情を揺さぶった。
それらは「上げて落とす」という伏線回収の流れを全く感じさせないほど丁寧に演出されており、放送後は「今日のアニメ、初見より原作勢の方が辛かった説はある。EDが流れ始めた瞬間に死刑を待つ死刑囚の気持ちになった」「原作読んでて先わかるのに世界戦変わったかと勘違いするぐらいにはエグい演出だった」などと驚く原作ファンも少なくない。また、原作に登場するキャラクター(アニメ未登場)の「人の心とかないんか?」という有名なセリフを引用して今回の放送を評価するファンが非常に多かったことからもMAPPAの演出力が窺える。