宮沢りえ、一夜にして女性へと変貌する美貌の青年貴族に 舞台『オーランド』、7月上演
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■翻案:岩切正一郎
オーランドの体には、英国における男性中心の社会から女性が自己表現者として鮮明に自立してゆく350年余りのプロセスが寓意的に折り畳まれています。それを劇として展開する翻案を任されました。ヴァージニア・ウルフが風刺的な物語の人物として創造したオーランドの体と意識は時を越えて広がり、今の日本や世界の状況を包み込んでいます。オーランドのプロットは演劇的なものを壊す要素でいっぱいです。それを逆手に取って、沈黙の襞の奥で響いているものを聴き出せるような台詞にできればと思っています。宮沢りえさんを始めとする素晴らしい俳優陣の演技と栗山さんの演出と一緒に、『オーランド』の中へ分け入ってゆく、秘境の探検隊の一員となったような気持ちで取り組んでいます。
■演出:栗山民也
もう30年も前のことになるが、パリで夜ごと劇場に通い、饒舌に語り合うフランス人のように友人たちとカフェで飲みながら、今観た舞台について何時間も語り合った。そんな時カルチェラタンにある劇場の前で一枚のポスターを見た。その闇のような色彩のポスターはロバート・ウイルソン演出の『ORLANDO』。ウイルソン独特の光と影の舞台は、いつものようにマジックのようで鮮やかだった。その時の記憶が深く体のどこかに残っていたのか、宮沢りえさん主演で何かをとプロデューサーから言われた時、『ORLANDO』の淡く深遠な風景がすぐ心に浮かんだ。この物語と出会った時、なんとも不可解な世界に迷い込んだことを覚えている。答えを見つけるのではなく、幾度も問うことが求められた。不変を象徴する「樫の木」が360年生きた主人公とともに、ただ移りゆく時代の表情をじっと見つめているような印象。そんな詩のような、永遠を描く舞台になればと思う。
■宮沢りえ
初めて栗山さんとご一緒できる事がとても嬉しいです。そして台本を頂き、無限の怖さを感じ、震えてもいます。今までに無い大きな挑戦です。プレッシャーをエネルギーに変え、舞台の上では何者にでもなれるし、どこまででもいけるんだ! その飛躍力を信じ、ただただ突き進みたいと思います。
■ウエンツ瑛士
まずこの様に素晴らしい方々とご一緒出来る事が何より嬉しいです。台本を読んでもなかなか見えてこないシーンなどが、どの様に立ち上がっていくのか。興味をそそられると同時にしっかり食らいついていこうという決意で溢れています。考え尽くして、感じ尽くして、全身で表現をする。そして今までの自分に安住せず、不恰好でも曝け出してそこも皆様が楽しんでもらえる要因の一つになるように出来たらと思ってます。と半年前から気合いが入りまくってますが、暑い夏になる事間違いなしです。それまで日々をしっかり積み重ねて、皆様と劇場でお会い出来る日を楽しみにしています。
■河内大和
今から稽古も本番も本当に楽しみです! この壮大な自然と人間の物語が、今のこの時代に、どんなふうにPARCO劇場に立ち上がっていくのか! この戯曲は、オーランドーの人生の大風景画、ファンタジーでありながら刺すようにリアル、すべての言葉が煌めいて感じられます。演出の栗山さんとは今年の始めにご一緒させていただいたのですが、本当に演出が魔法のようで、見えない大きな力に導かれるように、いつの間にかとんでもない作品に仕上がっていきます。共演者の皆様も尊敬する素敵な方たちばかりなので、きっと演劇にしかできない想像力の愉しさと人間力に溢れた作品になるのではないかと、ものすごくワクワクしています。
■谷田歩
とにかく出ずっ張りのオーランドが大変だろう。
そしてそれと共にコロコロ変わる沢山の相手役を、たった4人の男が受け持つ。
骨が折れる芝居になるなと、覚悟している。
僕にとっては初めましての方も居れば、縁多い人も居る。
詩的な台詞が多いこの美しい物語を、キャストと栗山さんでどの様に仕上げて行くのかとても楽しみ。
苦労するのは間違いないけど、絶対に面白い作品になる事を今から確信しています。
■山崎一
『オーランド』という作品は不思議な作品です。男性として生まれ、そのあと女性に生まれ変わって数百年生きてる人の話ですからね。性別だとか、ものの価値観がひっくり返ってしまうような面白さがありますよね。
時間と場所がどんどん変わって行く。だから作り手としては大変ですよね、多分(笑)。でも、だからこそ舞台でやる意味もまたあるんでしょうね、この作品は。いまからワクワク、ドキドキが止まりません。だってこれだけたくさんの人が出てくるのにわずか5人でやるのですから!
あ、宮沢りえさんはオーランドだけなので、4人ですね!(笑)どうぞ皆様、お楽しみに!