プロデューサーデビューのティモシー・シャラメが込めた想い 『ボーンズ アンド オール』特別映像公開
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第79回ヴェネツィア国際映画祭で監督賞と新人俳優賞の2冠に輝いたティモシー・シャラメ主演映画『ボーンズ アンド オール』より、ティモシーが演じる“人喰い”リーにフォーカスした特別映像が公開された。
【動画】『ボーンズ アンド オール』特別映像<人喰いリー編>
アカデミー賞の作品賞、主演男優賞など主要4部門にノミネートされ、脚色賞に輝いた『君の名前で僕を呼んで』(2017年)に続き、ティモシー・シャラメとルカ・グァダニーノ監督が再タッグを組んだ本作は、ヴェネツィア国際映画祭後もアカデミー賞の前哨戦に数えられるインディペンデント・スピリット賞やゴッサム賞でも複数の部門にノミネートされた禁断の純愛ホラー。
社会の片隅で生きるマレン(テイラー・ラッセル)とリー(ティモシー)が抱える秘密。それは生きるため本能的に人を喰べてしまうこと。その「謎」を解くための二人の逃避行、そして予想だにしない純愛のゆくえが、世界中で賛否を生んでいる問題作だ。
このたび解禁された特別映像《人喰いリー編》は、リーと同様に人を喰べる衝動を抑えられず、父にも見放されたマレンと車の中で自己紹介する場面で始まる。「どうしたらいいの? 泣く? 叫ぶ? 笑う?」と言葉があふれ出るマレンに、リーは一言「叫ぶな」と諭す。
ティモシーは、「『ボーンズ アンド オール』はラブストーリーだ。お互いに癒やされ、深く愛し合うリーとマレンの物語に心打たれた」と語り、「自らの恥や理解できないことを抱えるリーというキャラクターに惹かれた。彼はこの社会で自分として生きる術を身に着けているように見えた」と、心優しい“人喰い”リーについて自らの宿命と折り合いをつけている人物だと分析する。
「なぜ誘ったの?」「いい人っぽい」、ダイナーで交わされるふたりの穏やかなシーンに重ねて、ティモシーは「愛情や優しさが彼の最大の弱みだ。それをマレンに見いだし、その瞬間に恋に落ちる」と優しさこそがふたりの弱点となるのだと語り、リーは「鏡に映る自分を見たとき、彼は恐怖を感じる」と続ける。
ルカ・グァダニーノ監督は、「ティモシーにぴったりの役だと思った。『君の名前で僕を呼んで』での経験も最高だった」と初タッグ作を振り返り、今や映画界に欠かせない存在となったティモシーが「映画界で躍進する様子を見てきた」と、成長し続けている俳優だと太鼓判を押す。
そして映像は、「一番最初は?」「ベビーシッターだ」「私も」…映像は互いの“人喰い”体験を告白する衝撃的なシーンへ。ティモシーと初共演したマレン役のテイラー・ラッセルは、ティモシーについて「彼は最もユニークな俳優の一人。直感で行動するタイプ」だとコメント。「彼はその瞬間の状況に影響を受けて演じる。だから特別なことが起こる。私はそんな人と働きたいと感じる」と、ティモシーとの共演を振り返った。
現在27歳のティモシーは、『ボーンズ アンド オール』でプロデュースにも初挑戦。気味の悪い謎の“人喰い”サリーを演じたアカデミー賞俳優のマーク・ライランスは「ティモシーが製作も務めたことが、良い影響を生んだ」と断言。ティモシーは「初めて創造的な取り組みをするチャンスだった。自分の経験を役に生かしていった」と本作への熱い思いを述べる。
監督は「リーは不安感、やさしさ、そして美しい開放感をもたらす。しかし彼は大きな無力感も感じている」とし、決して逃れられない“人喰い”の宿命を背負ったリーの心の内を明かす。「仕方がないんだ。俺たちのこの生き方だ」と叫ぶ姿に胸が締めつけられる中、「俺を悪い人だと思わない?」と問うリーに、マレンは「ただ、あなたを愛している」と応えるが…。
なお、本映像にはティモシーが1980年代に流行したウォーターベッドで遊ぶ姿や、手で画角を作る姿、演技プランを監督たちに示す姿など、必見のメイキングシーンも収められている。
映画『ボーンズ アンド オール』は2月17日より全国公開。