オリヴィア・コールマン、心の病を抱えた女性役、寄り添って演技 『エンパイア・オブ・ライト』本編映像解禁
サム・メンデス監督最新作『エンパイア・オブ・ライト』より、本編映像が解禁された。主演のオリヴィア・コールマンが、心の病を抱えた女性という複雑な役どころを繊細な演技力で好演している。
【動画】オリヴィア・コールマンの好演が窺える 『エンパイア・オブ・ライト』本編映像<釣りの思い出編>
メンデス監督が初の単独脚本に挑み、「最も個人的な思いのこもった作品」と明かす本作は、1980年代初頭のイギリスを舞台に。厳しい不況と社会不安のなか、心の病を抱えながら映画館で働く主人公ヒラリーが、前向きで心優しい青年スティーヴンに出会い、生きる希望を見いだそうとしていく姿を描く。
第80回ゴールデングローブ賞で主演のオリヴィア・コールマンが主演女優賞(ドラマ部門)にノミネート、第76回英国アカデミー賞では英国作品賞、助演男優賞マイケル・ウォード、撮影賞ロジャー・ディーキンスの主要3部門にノミネート、そして第95回アカデミー賞ではロジャー・ディーキンスが撮影賞にノミネートされた。
解禁となった本編映像は、とある夜、心の病が悪化して皆の前で取り乱してしまったことを後悔するヒラリーの姿を描いたワンシーン。「私は自分をおとしめた?」と悲しむヒラリーに、スティーヴンは「あの夜の君は…迫力あった。何だかまるでヒーローみたいだった」と慰める。思わず笑いをこぼしたヒラリーは沈黙ののち、ふと子供の頃に父親と釣りに行った思い出を話し始め、父は魚が1匹も釣れず、釣りが下手なのかと思いきや、魚の居場所を知らないのにそれを恥だと感じて人に聞くことができなかったのだと明かす。最後に「恥って心をむしばむのよ」と語る表情は、父の姿に自分の姿を重ねているようにも感じ取れ、失敗しても笑顔で生きようとするヒラリーの力強さを感じさせるシーンとなっている。
繊細な演技が求められる主人公ヒラリーのモデルは、本作で初の単独脚本に挑んだメンデス監督の実の母親。その複雑な役を演じる俳優として、監督はアカデミー賞常連俳優として高い評価を浴び続けているオリヴィア・コールマンに白羽の矢を立てた。
メンデス監督からの初めてのオファーに二つ返事で出演を快諾したというオリヴィアだが、「彼にとって大切なことなので、怖さはありました。私は、脚本を尊重し、サムを尊重することが自分の仕事だと考えていました」と当初はハードルの高い役を演じるにあたりプレッシャーを感じていたことを明かしている。
しかし、「私は脚本に描かれたヒラリーが大好きです。彼が描くヒラリーには、つながりを感じられる部分がたくさんあります。サムは心の病がどういうものであるかを理解し、必要なのは優しさであることを知っています。しかし、当時は、そして今でも、この病に苦しむ人々に対して、とてもひどいことを言う人たちがいます。でもヒラリー自身は優しい人で、皆に共感してもらいたいと考えています。心の病は彼女のせいではないのです」と、メンデス監督自身のエピソードから生まれた解像度の高いヒラリーの人間性に引かれ、また社会不況の時代に懸命に生きようとしたヒラリーの感情や境遇に寄り添いながら演じたことを語っている。
映画『エンパイア・オブ・ライト』は、2月23日より全国公開。
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