吉田美月喜と常盤貴子がダブル主演する映画『あつい胸さわぎ』より、前田敦子、奥平大兼、佐藤緋美ら若手共演キャスト陣を捉えた新たな場面写真が解禁された。

　本作は、演劇ユニットiakuの横山拓也が作・演出を務め、各所で大きな話題を呼んだ傑作舞台を、上海国際映画祭アジア新人賞を受賞したまつむらしんご監督と『凶悪』（2013）で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞した脚本・高橋泉とのタッグで映画化。“若年性乳がん”と“恋愛”をテーマに、揺れ動く母娘の切実な思いを繊細さとユーモアを持って描く。主人公・千夏役を吉田、そして千夏の母親役を常盤が演じる。このほか、奥平大兼、前田敦子、佐藤緋美らが出演する。

　小説家を目指して芸大に通う千夏（吉田）は、授業で出された創作課題「初恋の思い出」の事で頭を悩ませている。千夏の初恋の相手は、同じ地元の小・中学校の幼なじみ、光輝（奥平）で、大学で光輝と再会した千夏は、再び自分の胸が踊り出すのを感じ、その思いを小説につづっていくことにする。大学の近くで一人暮らしをする光輝に憧れた千夏は、一人暮らしの物件探しを光輝に手伝ってもらう。

　一方、母の昭子（常盤）も、職場に赴任してきた木村基晴（三浦誠己）の不器用だけど屈託のない人柄に引かれ始めており、20年ぶりにやってきたトキメキを同僚の花内透子（前田）にからかわれていた。昭子の夫は千夏が幼い頃に他界し、昭子は18歳になる千夏を女手一つで育てあげた。大学生になった思春期の娘に手を焼きながらも、穏やかな日々を過ごす昭子だったが、ある日千夏の部屋で“乳がん検診の再検査”の通知を見つけてしまう…。

　このたび、前田敦子、奥平大兼、佐藤緋美ら若手共演キャスト陣を捉えた新たな場面写真が解禁。

　千夏の母の同僚であり、千夏にとっては年上の頼れる友人・花内透子（通称・トコちゃん）を演じた前田敦子は、AKB48の初代センターとして一世を風靡したのち、女優として映画・舞台・ドラマなど幅広く活躍中。本作では、思春期の心の変化から目を背けそうになる母娘に、そっと寄り添い支えるトコちゃんを魅力的に演じている。

　トコちゃんのシーンで特に印象的なのは、「千夏の幸せを一番に願っている」はずの彼女が、千夏の心をかき乱す存在になっていると自分で気づいた場面。前田が、その戸惑いと罪悪感、彼女なりの決断がひしめきあう表情で、トコちゃんの心の葛藤をリアルに表現している。

　主人公・千夏の初恋の相手・光輝を演じた奥平は、2020年に映画『MOTHER マザー』で鮮烈なデビューを飾り、日本アカデミー賞ほか新人賞を総なめに。2023年は本作に加え、映画『ネメシス 黄金螺旋の謎』ほか多数の出演映画の公開を控える新進俳優だ。これまではどこか影のある役が多かった奥平が、本作では「大学生らしい感情にまっすぐな青年」を明るく体現。彼の大人の女性に出会い惹かれてゆく表情、役者として初挑戦となった「キスシーン」にも注目だ。

　主人公・千夏の二人目の幼なじみ・水森崇（通称・ター坊）を演じた佐藤は、俳優のほかミュージシャンとしても活動。2021年に映画『ムーンライト・シャドウ』で日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞し、その後も映画『ケイコ 目を澄ませて』『少女は卒業しない』や、ディズニープラス配信のドラマ『シコふんじゃった！』など出演作が続く若手実力派俳優だ。

　ター坊は、軽度知的障害でなかなか社会に馴染めずも、懸命に日々を生き、まっすぐに千夏を思いやる青年。母親に伝わらない思い、上手くいかない恋と病に悩む千夏は、わけも知らずに話しかけてくるター坊に嫌気が差し、八つ当たりしてひどい言葉をぶつけてしまう。すぐに反省して悩みを打ち明けた千夏は、ター坊に「おっぱい無くなったら、もう恋とか無理なんかな」と不安を吐露。「あんまおっぱいのこと考えたことないからなあ」とはぐらかしたター坊だったが、のちに千夏を励ますある行動を起こすことに。彼の行動にグッと胸を打たれる人は多いことだろう。

　映画『あつい胸さわぎ』は、1月27日より全国公開。