ホン・サンス監督の映画『The Novelist’s Film（英題）』が、邦題『小説家の映画』として、6月30日より全国順次公開されることが決定。日本版ポスタービジュアル、予告編、場面写真が解禁された。

【動画】キム・ミニ×イ・ヘヨンの初共演で描く、女性たちの友愛と連帯

　韓国エンターテインメント界でマイペースを貫きながら、作品を発表するたびに国際映画祭の舞台で絶賛され、巨匠の地位を確立した映画作家ホン・サンス。ホン監督の長編27作目となる本作は、女性アーティスト同士の幸福なめぐり合いを描いた友愛と連帯の物語。2022年ベルリン国際映画祭で銀熊賞（審査員大賞）を受賞し、ベルリンで実に3年連続4度目の受賞を果たす快挙となった。

　執筆から遠ざかった小説家ジュニと、一線から退いた女優ギルスは、偶然の出会いを通じて惹かれ合い、ジュニはギルスを主役に映画を撮りたいと持ち掛ける。アーティスト／表現者として成功を収めながらも、ともに人知れず迷いを抱えたふたりの女性が偶然の出会いを通し、人生の新たな可能性に向かってともに歩み出す。

　衝撃作『お嬢さん』で世界を魅了し、『正しい日 間違えた日』でホン監督作に初出演以降7作品に出演、前作『あなたの顔の前に』ではプロダクション・マネージャーを務めたキム・ミニ。そして、巨匠イ・マンヒの娘であり、ホン監督作に初出演した前作『あなたの顔の前に』で国際シネフィル協会賞主演女優賞を受賞するなど、ホン監督作の新たな“顔”となった女優イ・ヘヨン。この韓国を代表する2大女優の共演が実現した。

　ホン監督はキャスティングについて、「まず最初にキム・ミニを主役にしようと決めました。それからこの前の映画（『あなたの顔の前に』）で一緒に仕事をしたイ・へヨンに出演してもらうことに決めました」と語った。さらに「キャスティングは映画作りで最も重要なことかもしれません。今回はイ・へヨンに会って、小説家が自分の映画を作る、というアイデアを着想しました。人と会い、その人から印象を受け取り、それに刺激され想像力とアイデアを働かせて映画を作っていくのです」と制作の舞台裏を明かした。

　キム・ミニはイ・ヘヨンとの初共演について、「ホン・サンスと仕事する俳優たちは、自分がどのような人物を演じることになるのかと大いに期待しています。小さな撮影チームですが、だからこそみんなで協力しあって、リラックスした雰囲気の中で撮影します。イ・へヨンはまわりにとても居心地の良い雰囲気を作り出す人で、一緒の仕事は素晴らしかったです。この映画は人間関係についての映画ですが、それについて彼女からたくさんのことを学びました」と語った。

　日本版ポスタービジュアルは、かつて名声を得ながらも内に葛藤を抱えたジュニ（イ・ヘヨン）とギルス（キム・ミニ）が、レストランのテーブルで会話する様子を小さな女の子が見つめている場面だ。優しい印象を残す淡いピンク色の中で、2人が互いの立場に共感し、心の距離を近づけていく姿に、「小説家と女優、彼女たちの第二章。」というキャッチコピーが添えられている。

　同時解禁となる予告編映像は、野の花を束ねているキム・ミニがカメラに向かってほほ笑む穏やかなシーンで幕を開ける。執筆から遠ざかった小説家ジュニと、一線から退いた女優ギルスの偶然の出会いから、惹かれあったふたりが人生の迷いを語り合い、友愛の感情を育む様子が切り取られている。

　映画『小説家の映画』は、6月30日より全国順次公開。