今冬、広島先行公開! 東出昌大、三浦透子ら『とべない風船』ティザーポスター&特報
<コメント>
■宮川博至監督
西日本豪雨は広島で生活している私にとって、初めて身近で起こった最悪の災害でした。ここ広島で生活しているからこそ、豪雨災害をテーマに映画を作らなければならない。そう思い、私は脚本を書き始めました。
人は、簡単に「災害が起こった場所などに住まず、引っ越すべき」「もっと他にいい場所はたくさんある」と言います。それも正しい。しかし、事実としてその場所から離れられない人もいます。その人たちの事情を聞けば、口にできない言葉が増えていきます。
前向きになんてならなくていい、ただ映画を見ているその時間だけでも前を向く気持ちが少しでも芽生えればと思い、この映画を作りました。
■東出昌大
都会のスクランブル交差点でふと周囲の人々の顔を眺め、想う。「この人達にも大切な人がいて、親との死別を経験したり、心が千々に砕けるような人生の瞬間があるのか」。そう想像した時、心が濁流に飲み込まれるような感慨を覚えた事があります。
瀬戸内海の過疎化が進む漁村に住み、魚の掛からない網を引き揚げながら、遠くに吊るされた萎んだ風船を眺める男を演じました。彼が何故風船を見つめるのか。私とは他人である彼の人生に想いを巡らせた時、生きていく事の複雑さと残酷さと、人と生きる素晴らしさを知りました。
青い瀬戸内の海のような作品です。是非、映画館で多島美と、人の生きていく有りの儘をご堪能下さい。
■三浦透子
撮影中ずっと、この作品に関わる皆さまの広島という場所への愛を感じ続けていました。その愛ゆえのやさしさを受けて生まれた一瞬が、映像の中にたくさん詰まっていると思います。
寂しさを共有する少しの勇気が、自分の明日を変えてくれる。そんな温かい人と人の交わりを丁寧に切り取った作品です。心に届く、愛される作品になってほしいです。
■小林薫
昨年秋の今と変わらずのコロナ禍での撮影でした。呉のお店も自粛中であったりして、淋しいけどコンビニでお酒をまかなって部屋飲みとせざるを得ませんでした。だからちょっと、呉の街の印象は薄くなっているンですが、島から見る海の景色は忘れませんね。
蒲刈島や江田島での撮影が中心で、漁協の海も、丘の上のオリーブの木越しにみえる海もみな穏やかで、ついつい撮影をしていることを忘れてしまいがちになるほどでした。
心に負った傷が、ゆったりと流れる時間の中で。少ーしずつ癒されていく映画をご覧になりながら、そんな風景に身を預けてみて下さい。
■浅田美代子
コロナのさなか、瀬戸内海の綺麗な空気と景色に癒されました。広島の若いスタッフや監督との撮影は楽しく、沢山のエネルギーをもらいました。
『とべない風船』というタイトルがあまりに悲しくてツラい感じかなと思ったのですが、飛べない風船、飛べなくても飛ばなくちゃいけないんだという勇気がもらえた様な気がします。
家族、どんなにツラい過去、悲しい出来事があったとしても残された者は生きていかなくてはいけない...生きていたらきっと良いことがあるに違いないと信じたいです。
居る事が当たり前だと思っている家族ですが、もう一度家族の大切さを感じてほしいです。