「息すらも止めて ご覧ください」――カラックスが仕掛ける驚異の映像体験『アネット』予告
第74回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したレオス・カラックス監督最新作『アネット』より、予告映像が解禁された。
【動画】『アネット』予告
35年間で発表した長編作品は6本と寡作ながら、その卓越した演出力と圧倒的な美的センスによって、世界的な注目を集め続けるレオス・カラックス。
そんなカラックス監督にとって、『ホーリー・モーターズ』以来8年ぶりの最新作となる本作は、アダム・ドライバーとマリオン・コティヤールを主演に迎え、初めて全編英語でミュージカルに挑んだダーク・ファンタジー・ロックオペラ。第74回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したほか、第79回ゴールデングローブ賞で主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされた。
原案は、日本でも根強い人気を誇るロン&ラッセル・メイル兄弟によるポップ・バンド、スパークス。彼らがストーリー仕立てのスタジオアルバム『アネット』として構築していた物語が、スパークスとカラックスの出会いによって映画へと発展。劇中全編を歌で語り、全ての歌をライブ録音するという両者のこだわりと、そこにカラックスならではの映像美が相まって、唯一無二の作品が完成した。また、カラックスが「父親になってからの映画」とその特別な想いを語る本作には、カラックス自身の人生が色濃く反映されている。
予告映像は、「息すらも止めて ご覧ください」というメッセージからスタート。「初めて恋に落ちた」「彼女が僕を変えたんだ」「惹かれるのは必然だった」。攻撃的なユーモアセンスが人気のスタンダップコメディアン・ヘンリー(アダム)は、美貌のオペラ歌手アン(マリオン)と出会って惹かれあい、愛する子供“アネット”が生まれる。世間からも祝福され、仲睦まじく暮らしていた2人。
しかし、そんな幸せな時間は束の間。「あなたが心配よ」「何も心配ない」「嵐の中で踊ろう」「バカはやめて」。映像の後半では、彼らの世界の全てが、少しずつ<闇>へと近づいていく様が映し出されていく。最後は「愛が、たぎる」という情熱的なキーフレーズで終了。スパークスの音楽をバックに、これまでに見たことのない映像体験が待ち受けていることを予感させる、圧巻の予告映像となっている。
映画『アネット』は4月1日より公開。