6月18日開催のアニメ『モノノ怪』のイベント「モノノ怪 十五周年記念祭」にて、劇場版『モノノ怪』の制作が発表された。劇場版は完全新作エピソードで展開され、2023年公開予定。併せて、声優・櫻井孝宏演じる薬売りの描きおろしカット、新規収録ボイスが聞くことのできる特報映像も公開されたほか、初の舞台化も発表された。

　アニメ『モノノ怪』は、2007年7月にテレビシリーズとして放送され、スタイリッシュなキャラクターデザインに、和紙のテクスチャーなどCG処理を組み合わせて今までにない斬新な映像を生みだし話題に。2020年に行われた「ノイタミナ」歴代70作品を対象とした投票企画「あなたが選ぶ思い出の3作品」（2005～2009年度制作部門）にて第1位を獲得するなど、放送から15周年たった今もなお根強い人気を誇っている。

　このたび劇場版『モノノ怪』の制作が発表され、特報映像とティザービジュアルが公開。特報映像では中村健治監督演出の新規描きおろしアニメーションカットに加え、櫻井孝宏演じる薬売りの新規ボイスも収録している。

　櫻井は「作品のルーツは2006年にノイタミナでオンエアされた『怪～ayakashi～』の一編でした。その名も『化猫』。数年を経て『モノノ怪』が始まり、その結びの一編もまた『化猫』でした。そして2022年。化猫に始まり化猫に終わっていた作品が三度動き出します。心の底から楽しみです」とコメント。

　中村は「今、私達は個人の幸せと組織や社会全体の幸せが合致する世の中で生きているのでしょうか。自分はあることですごく辛いのに、世の中・社会全般ではそれが普通だと判断されていたりすることはないでしょうか？　さらに言えば、歴史上で個人と社会全体の幸せが合致して上手くいっていた世界なんてあったのでしょうか？」と問いかけを。そして「その矛盾から生じた捻じれた気持ちと情念を描きながら、産まれてしまったモノノ怪をまるで私達自身を斬るかのように鮮やかに薬売りに斬ってもらいたいと思っています」と意気込みを語った。

　プロデューサーの山本幸治は「最初の作品である『化猫』を見た時、画面を見ていて酔うような感覚と、自分の現在位置を見失うような不安を覚えました。15年以上前なので当時はまだハイビジョン普及前で、画質も荒く今のような横長の16対9の画面でもない小さな画面でした」と回想。「この世界観を密度の濃い大きなスクリーンで表現できたらもっとすごいことになるだろうと思いました。中村健治監督の久しぶりの、そして原点でもある作品です。いくつもの困難を越えてようやく企画が実現しました。お楽しみに」とコメントしている。

　6月24日20時より、劇場版の制作応援クラウドファンディングを開催。日本国内では「うぶごえ」、海外では「Kickstarter」にて行う予定。金額に応じた9つのコースが用意され、コースごとに特典を用意している。

　また、アニメ『モノノ怪』15周年にちなみ、豪華絵師15名による描き下ろしビジュアル企画がスタート。本日18日より、アニメ公式Twitterにて毎夜連続公開。第1弾として『モノノ怪』のコミカライズを担当した蜷川ヤエコの描き下ろしビジュアルが公開された。

　さらに15周年を記念し、6月24日18時よりノイタミナ公式YouTubeチャンネルにて、『モノノ怪』全12話のYouTubeLIVE一挙配信が決定。『モノノ怪』の前身となった『怪～ayakashi～』化猫全3話も配信される。FOD、TVer、GYAOでも7月より順次無料配信予定。

　劇場版『モノノ怪』は2023年公開予定。