<ミュージカル『るろうに剣心』レポート>360°回転ステージで壮大な世界観を再現!
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また、ミュージカル『るろうに剣心 京都編』をさらに唯一無二の作品に昇華させるのが、小池ら役者陣のパフォーマンスだ。小池がゲネプロ前に開催された会見で「体の痛みと日々戦いながら頑張っています」と明かすアクションは、圧巻の一言。剣心は“飛天御剣流”というスピード感ある剣術を使いこなすが、舞台では小池がキレキレのアクションで体現。映画シリーズで剣心を演じた佐藤健の殺陣も話題を集めたが、それに全く劣らない見事な剣さばきで、観客を魅了していた。
小池以外にも、黒羽麻璃央が剣心の宿敵・志々雄真実の圧倒的な強さを感じさせる貫録あるアクション、剣心の師匠・比古清十郎役の加藤和樹や蒼紫役の松下優也は力強い圧巻の剣さばき、作中最速といわれる剣術で剣心たちの前に立ちはだかる瀬田宗次郎を演じる加藤清史郎はスピード感あふれる殺陣、薫役の井頭愛海や左之助役の岐洲匠、操役の鈴木梨央らも、それぞれの個性溢れるアクションを披露。劇中は、常に息つく暇なくアクションが怒涛に繰り広げられる。
ファンの間でも熱狂的人気を誇るエピソードで、魅力的なキャラクターが多数登場する京都編だが、小池をはじめそれぞれのキャラクターの再現度も素晴らしい。小池は、穏やかな風貌で温厚な性格の剣心と、大切な人を守るために宿敵と相まみえ刀を振るう剣心の多面性を繊細に表現。ほか、役者陣のそれぞれの特性をとらえた役作りは、原作ファンも満足させるのではないだろうか。
そして、ミュージカルということで、全24曲にも及ぶ役者陣の歌唱にも心を揺さぶられる。ミュージカル界において目覚ましい活躍を見せる小池や黒羽を筆頭に、井頭、鈴木らが繰り出す美しくも透き通る声が随所で会場全体に響き渡り、物語に華を添える。前半ラストの剣心たちや、志々雄ら敵キャスト陣が一同に集結し、歌唱するシーンは特に圧巻だ。驚きのステージ演出、役者陣のアクションやキャラクターの高い再現度を実現した芝居、歌唱で織りなす、新たな『るろうに剣心』の世界観を劇場でぜひ体感してほしい。
ミュージカル『るろうに剣心 京都編』は、5月17日~6月24日までIHIステージアラウンド東京にて上演。