【解説/みどころ】
主人公は、固有名詞のない“あいつ”。インテリらしい度の強いメガネをかけ、魚雷をくくりつけたドラム缶に入り、女郎屋の番傘をさして、ギラギラの太陽に照りつけられながら、静かな洋上をのんびりと浮かんでいる。敗戦間際の頃“あいつ”は、仲の良さが微笑ましい古本屋の老夫婦や、防空壕の中で結ばれたが空襲で死んでしまった、セーラー服の美しい少女との幸福だった時間を想い浮かべる……。岡本喜八監督の戦争への屈折した思い、青春への痛みと感傷が色濃く反映されている戦争ドラマの傑作。それを悲壮に描くのではなく、コミカルなタッチで綴っていて、より心にしみる作品に仕上がった。寺田農、大谷直子の初々しい演技も印象深い。
- キャスト
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寺田農/
大谷直子/
天本英世/
笠智衆/
田中邦衛/
北林谷栄/
雷門ケン坊/
春川ますみ/
小沢昭一/
菅井きん/
中谷一郎/
高橋悦史/
伊藤雄之助/
- スタッフ
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監督:
岡本喜八
脚本:
岡本喜八
- 上映時間・制作年
- 109分/1968年
- 制作国
- 日本
- 配給
- ATG=肉弾をつくる会